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全てを奪われるジャンヌ!
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後にウォレス公爵家最後の当主に認定されたのはジャンヌであった。その最後の当主が表舞台から退場する幕が上がった。それは婚約破棄から始まる茶番であったが、当事者のうち奪う側は本気だった。
公爵執務室の中央に置かれた巨大な作業台に着席したジャンヌは多少驚いたような表情を浮かべていた。彼女も茶番に付き合う事にしていた。せいぜい奪う側を満足させるために。
「トーマスさま、わたくしの父の葬儀を欠席されたのに、今日は何の御用ですか? 先ぶれも寄こしていただいておりませんが?」ジャンヌは父の葬儀に出席しなかったことを嫌味のようにいった。
「そんなことは、どうでもいいだろう。お前の親父は和平派だろ! そんな奴はこの国にいま必要はなかっただろ!」そんなトーマスの言葉に怒りを覚えたジャンヌであるが、貴族の令嬢の習いとして感情を出さぬようにしていた。
「和平派って、おっしゃいますが父は国を想ってのことでして・・・」
「でも、それは貴族にとってあるまじき事である! だからお前との婚約を破棄し、こちらのジェイソン参謀長閣下のシンシア嬢と新たに婚約する! そして、この公爵家の将来の当主になる!」
そういってトーマスは書類を投げつけていた。その書類には王太子の署名があった。
公爵執務室の中央に置かれた巨大な作業台に着席したジャンヌは多少驚いたような表情を浮かべていた。彼女も茶番に付き合う事にしていた。せいぜい奪う側を満足させるために。
「トーマスさま、わたくしの父の葬儀を欠席されたのに、今日は何の御用ですか? 先ぶれも寄こしていただいておりませんが?」ジャンヌは父の葬儀に出席しなかったことを嫌味のようにいった。
「そんなことは、どうでもいいだろう。お前の親父は和平派だろ! そんな奴はこの国にいま必要はなかっただろ!」そんなトーマスの言葉に怒りを覚えたジャンヌであるが、貴族の令嬢の習いとして感情を出さぬようにしていた。
「和平派って、おっしゃいますが父は国を想ってのことでして・・・」
「でも、それは貴族にとってあるまじき事である! だからお前との婚約を破棄し、こちらのジェイソン参謀長閣下のシンシア嬢と新たに婚約する! そして、この公爵家の将来の当主になる!」
そういってトーマスは書類を投げつけていた。その書類には王太子の署名があった。
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