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未来のヴィジョン
1・賢者の石
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キャロルが賢者の石を見つけたのが書庫の埃の中だった。なんでここにあったかは知らないが、この家の主人がだらしなかったのかもしれない。この家の主人ルドルフは欲しいモノを手に入れた後は興味を失い、書庫に放置する癖があるという。だから書庫には骨董品ともガラクタともいえるような雑多なものであふれていた。
キャロルが見つけたのは「賢者の石」と書かれたボロボロの紙の箱で埃が纏わりつき、おまけにネズミがかじってできたであろう穴があった。本当に大事にされてこなかったのは明らかであった。その時、キャロルは17歳だった。元々は貴族の血筋にある商家の娘だったが、実家が零落し弟や妹たちの教育費を稼ぐために、帝国家政婦学校に授業料免除の特待生として二年通った後にこのローゼンブルグ家の侍女として奉公できた。
彼女が選ばれた理由は、身長が低かったという。彼女の身長は10歳の少女といっても信じられるほどで、容姿もまだ幼さが残っていた。そんな容姿にこの家の主人が自分の令嬢付きの侍女にと迎えてくれたのだ。自分の娘の背格好に似ていたことも。仕える予定のアンネローゼは10歳で、既に面通しは終わっていた。少々わがままなのが気になったが、自分の姉弟だと思えば問題ないはずだと信じていた。
肩で切りそろえた亜麻色の髪に埃が着くのが気になりながらキャロルはその箱の中身を取り出した。申しつけられていた仕事は、書庫の埃の中に埋もれている箱を別の書庫に移す事だった。なんでも、開いた空間に大きな木製の馬を置くためだという。移動した箱はそのうちどうにかするからという物だった。でも、そんなことをしてもまた同じ事じゃないのよ! そうキャロルは思ったが言われたままの事をしていた。その日、そうして移動していた時に最後に手をかけたのが「賢者の石」と書かれた箱だった。
キャロルは箱の中に溜まった埃や塵を出すために箱を開けるとそこには、今まで見た事もないような美しいものがあった。紫水晶玉に玉石混合の雑多な結晶が絡みついたもので、その真ん中にある紫水晶玉が放つ光に瞳を合わせてしまった! その時、一瞬物凄い量の文献を読まされたような気分になり、気を失ってしまった。
一緒に作業していた同僚の侍女が駆け寄った時、キャロルの瞳は宇宙を彷徨うような輝きを帯びていた。それは、無限の世界を一瞬で旅しているようであったという。
「おい、キャロル! 初日からなんなのよ? 早く起きなさい!」
先輩侍女のエリスの呼びかけで目を覚ましたのは数分後のことだった。目が覚めた時キャロルはこんなことをいった。
「いま何が起きたのですか?」
「気を失ったのよ! しっかりしてよ!」
「なんか長い夢でもみたのですが・・・」
「何寝ぼけているのよ! まだ寝るのは早い! しっかりしな!」
叱責をうけたキャロルは気を失っている間に見た恐ろしい夢を思い出した。あれは「一炊の夢」だったんだと。これから起きる事を夢で見てしまったのだ!
キャロルが見つけたのは「賢者の石」と書かれたボロボロの紙の箱で埃が纏わりつき、おまけにネズミがかじってできたであろう穴があった。本当に大事にされてこなかったのは明らかであった。その時、キャロルは17歳だった。元々は貴族の血筋にある商家の娘だったが、実家が零落し弟や妹たちの教育費を稼ぐために、帝国家政婦学校に授業料免除の特待生として二年通った後にこのローゼンブルグ家の侍女として奉公できた。
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肩で切りそろえた亜麻色の髪に埃が着くのが気になりながらキャロルはその箱の中身を取り出した。申しつけられていた仕事は、書庫の埃の中に埋もれている箱を別の書庫に移す事だった。なんでも、開いた空間に大きな木製の馬を置くためだという。移動した箱はそのうちどうにかするからという物だった。でも、そんなことをしてもまた同じ事じゃないのよ! そうキャロルは思ったが言われたままの事をしていた。その日、そうして移動していた時に最後に手をかけたのが「賢者の石」と書かれた箱だった。
キャロルは箱の中に溜まった埃や塵を出すために箱を開けるとそこには、今まで見た事もないような美しいものがあった。紫水晶玉に玉石混合の雑多な結晶が絡みついたもので、その真ん中にある紫水晶玉が放つ光に瞳を合わせてしまった! その時、一瞬物凄い量の文献を読まされたような気分になり、気を失ってしまった。
一緒に作業していた同僚の侍女が駆け寄った時、キャロルの瞳は宇宙を彷徨うような輝きを帯びていた。それは、無限の世界を一瞬で旅しているようであったという。
「おい、キャロル! 初日からなんなのよ? 早く起きなさい!」
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「いま何が起きたのですか?」
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