宇宙航海士育成学校日誌

ジャン・幸田

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生徒たち

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 恒星間航路は過酷である。第四次世界大戦の最中に思わぬ形で異星文明とファーストコンタクトを果たした地球人類は数多くの異星社会と交流するようになった。しかし障壁があった。地球人類の身体では超光速航法すなわちワープ航法に制約があった。ワープ航法中には人類はまともに動くことができないのだ。

 そのため、地球人の宇宙航海士は一種のパワードスーツを装着する必要があるが、なぜか育成学校の練習航海時の制服はロボットそのものにしか見えない姿であった。そのため、人種も性別もわかりにくいものになる。それにメンバーはシャッフルされるので必ずしも人間態を知っている生徒と一緒になる方が珍しかった。

 ウォン・レンファン。それが小柄な少女型スーツを着用した娘の本名だ。元々戦乱の影響で孤児になった母から生まれたので、実家は貧しかった。そのため下剋上を果たすために目指したのは宇宙航海士だった。報酬は魅惑的だったし、地球以外の星間社会を見ることができるから。

 しかし、代償もあった。それはいくつもあったが最初の大きなものは機械の身体の中に埋め込まれてしまうものだった。一度埋め込まれると最低一年は脱ぐことはできないのだ。その期間よりも短ければ宇宙航海士失格として夢が閉ざされてしまうことを意味していた。だから改造されるしかなかった。


 レンファン以下、生徒は機械の身体に埋め込まれる措置を受けた。最後に覚えているのはカプセルの中に生まれたままの姿になり入ったことだ。睡眠ガスで眠らされた後どんな措置を受けたかわからない。気がついた時にレンファンはロボットと同じ姿になっていた。
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