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第一章:夜明け前の想い出は仄暗い路に続く
11.夜明けのあとは
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ケンイチから渡されたのは、古き神の魂を込めた剣であった。その剣を扱えるのは荒魂に支配された穢れ淫獣巫女のミスズしかいなかった。その剣は神という存在であっても常世の果てに送り込める力があった。その剣を持ったミスズは最強の退魔巫女であった。ただ、生身の美鈴の肉体も大きな負担があった。
その時、穢れた防御衣に覆われた人間の男と契りを結んだことのない美鈴は身体が引きちぎれてしまいそうな激痛に耐えていた。この剣を生身のままで振るうとたちまち塵になってしまうといわれいるほどの衝撃があると言われている。昔、不意打ちされた巫女が退魔の為に振るったところ、退魔に成功したものの肉体は四散したとされる。その巫女の魂も籠っているのが美鈴を覆う防御衣の元になっているといわれている。
「お、おとなしくいるべき神坐にお帰りなさいませ!」
ミスズは渾身の霊力を全て込めてユマのコアに振り下ろした! すると、ユマはまばゆい光と熱を放出し、屋内で太陽のように輝いた! その光は一瞬真っ白な世界しか存在しないかのようなものであった! その直後、爆発して四散するのではなく爆縮してしまった。その中心に向かい暴風が吹き抜けていった。あとは、何も存在していないような静寂が広がった。
それから小一時間、逃げ遅れた男が見たのはホールの天井に空いた穴から差し込む朝日だった。男の横にいたのはナズナだった。
「あのう・・・何が起きたのですか?」
男は記憶を辿ろうとしたが、変な巫女とラバー女のコスプレした参加者を見た後の事をどうしても思い出せなかった。
「あなたはねえ、居眠りしていたのですよ。他のお客さんが帰ったあとも。あんまり気持ち良さそうなので寝かしていたら最後になったのですよ。本当に困ったものですよ、本当は出入り禁止レベルだけど、大目に許しますわ。だって、最後までいたお客さんたら暴れすぎちゃって天井に穴をあけたりするのですから。それよりも飛行機に乗らないといけないって寝言いってましたよ」
ナズナの言葉に男は腕時計を見ると慌てていた。
「電車に間に合わない! どうしよう!」
するとナズナは笑顔でこう言った。
「あなたがとった、今回の金色夜会の画像データを全て消去していただけるのでしたらタクシー券を差し上げますわよ。もうタクシーも手配していますよ。良い話ですよ。だって今回のお客さんが天井壊したのですからね」
なんでデータ消去しなきゃいけないのか不審であったけど、タクシー券を差し出されているので背に腹は代えられないということで持っていたデジカメとスマホを渡してデータを消去してもらった。そして急いでタクシーに飛び乗ると羽田空港に直行した。その時、変な装甲車みたいなのとすれ違ったが気に留めることは無かった。その装甲車みたいなもののなかには美鈴とケンイチがいた。
「お前、やってくれるのはいいけど、天井の修理費やら口止めの費用やら凄い出費だぞ! あんまり必要経費だといって請求するのも面倒なんだぞ!」
ケンイチは武装を解くことなく美鈴の前にいた。一方の美鈴は闇巫女の防御衣を脱いで真っ白い襦袢だけを羽織ってた状態で横になっていた。闇巫女の時に力を使い切ってしまい、完全な淫獣化を防ぐためにケンイチが強制的に脱がしたのだ。
「そうだけど・・・いつも思うけどセクハラじゃないのよ! 美鈴に戻すのに無理矢理脱がすだなんて! あんまりにも恥ずかしいわよ。全身汗疹だらけの身体なんだし・・・完全に治るまで仕事休まないといけないのよ!」
美鈴は闇巫女であるため、表の顔の美鈴は巫女として奉職できないので普段は神社近くの土産物屋で働いていた。
「いいじゃないか、またいつものように発注ミスして怒られなくて! 堂々と休めるじゃねえかよ!」
「休める? 休む口実を考えるのも難しいのよ! 今度はインフルエンザにでもなったとしようかしらん?」
「インフルエンザ? それはこのまえ、渓谷の荒魂退魔の時に使ったんだろ? それを忘れるなんてドジ女だなあ!」
「ドジ女って言ったわね! 好きでドジになっているのじゃないのよ! 闇巫女になって淫獣化するから頭が弱くなるのよ! 私がいなければ、そちらもお困りなんでしょ! 普段何をしているのか知らんけどね!」
「本当に闇巫女じゃないお前はウルサイ女だな! もいいっぺん着ろ! 防御衣を!」
「無理よ! 傷んでいるんでしょ! いま養生中なんでしょ!」
美鈴とケンイチの言い合いは神社に戻るまで続いた。それはいつものことであった。戻れば二人は見知らぬ者同士になる、次の退魔に出動するまで。
その時、穢れた防御衣に覆われた人間の男と契りを結んだことのない美鈴は身体が引きちぎれてしまいそうな激痛に耐えていた。この剣を生身のままで振るうとたちまち塵になってしまうといわれいるほどの衝撃があると言われている。昔、不意打ちされた巫女が退魔の為に振るったところ、退魔に成功したものの肉体は四散したとされる。その巫女の魂も籠っているのが美鈴を覆う防御衣の元になっているといわれている。
「お、おとなしくいるべき神坐にお帰りなさいませ!」
ミスズは渾身の霊力を全て込めてユマのコアに振り下ろした! すると、ユマはまばゆい光と熱を放出し、屋内で太陽のように輝いた! その光は一瞬真っ白な世界しか存在しないかのようなものであった! その直後、爆発して四散するのではなく爆縮してしまった。その中心に向かい暴風が吹き抜けていった。あとは、何も存在していないような静寂が広がった。
それから小一時間、逃げ遅れた男が見たのはホールの天井に空いた穴から差し込む朝日だった。男の横にいたのはナズナだった。
「あのう・・・何が起きたのですか?」
男は記憶を辿ろうとしたが、変な巫女とラバー女のコスプレした参加者を見た後の事をどうしても思い出せなかった。
「あなたはねえ、居眠りしていたのですよ。他のお客さんが帰ったあとも。あんまり気持ち良さそうなので寝かしていたら最後になったのですよ。本当に困ったものですよ、本当は出入り禁止レベルだけど、大目に許しますわ。だって、最後までいたお客さんたら暴れすぎちゃって天井に穴をあけたりするのですから。それよりも飛行機に乗らないといけないって寝言いってましたよ」
ナズナの言葉に男は腕時計を見ると慌てていた。
「電車に間に合わない! どうしよう!」
するとナズナは笑顔でこう言った。
「あなたがとった、今回の金色夜会の画像データを全て消去していただけるのでしたらタクシー券を差し上げますわよ。もうタクシーも手配していますよ。良い話ですよ。だって今回のお客さんが天井壊したのですからね」
なんでデータ消去しなきゃいけないのか不審であったけど、タクシー券を差し出されているので背に腹は代えられないということで持っていたデジカメとスマホを渡してデータを消去してもらった。そして急いでタクシーに飛び乗ると羽田空港に直行した。その時、変な装甲車みたいなのとすれ違ったが気に留めることは無かった。その装甲車みたいなもののなかには美鈴とケンイチがいた。
「お前、やってくれるのはいいけど、天井の修理費やら口止めの費用やら凄い出費だぞ! あんまり必要経費だといって請求するのも面倒なんだぞ!」
ケンイチは武装を解くことなく美鈴の前にいた。一方の美鈴は闇巫女の防御衣を脱いで真っ白い襦袢だけを羽織ってた状態で横になっていた。闇巫女の時に力を使い切ってしまい、完全な淫獣化を防ぐためにケンイチが強制的に脱がしたのだ。
「そうだけど・・・いつも思うけどセクハラじゃないのよ! 美鈴に戻すのに無理矢理脱がすだなんて! あんまりにも恥ずかしいわよ。全身汗疹だらけの身体なんだし・・・完全に治るまで仕事休まないといけないのよ!」
美鈴は闇巫女であるため、表の顔の美鈴は巫女として奉職できないので普段は神社近くの土産物屋で働いていた。
「いいじゃないか、またいつものように発注ミスして怒られなくて! 堂々と休めるじゃねえかよ!」
「休める? 休む口実を考えるのも難しいのよ! 今度はインフルエンザにでもなったとしようかしらん?」
「インフルエンザ? それはこのまえ、渓谷の荒魂退魔の時に使ったんだろ? それを忘れるなんてドジ女だなあ!」
「ドジ女って言ったわね! 好きでドジになっているのじゃないのよ! 闇巫女になって淫獣化するから頭が弱くなるのよ! 私がいなければ、そちらもお困りなんでしょ! 普段何をしているのか知らんけどね!」
「本当に闇巫女じゃないお前はウルサイ女だな! もいいっぺん着ろ! 防御衣を!」
「無理よ! 傷んでいるんでしょ! いま養生中なんでしょ!」
美鈴とケンイチの言い合いは神社に戻るまで続いた。それはいつものことであった。戻れば二人は見知らぬ者同士になる、次の退魔に出動するまで。
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