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(外伝一)アルテミスの美少女着ぐるみ隊
魅了している志桜里
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成海が基美の「内臓」に指名された事など知る由もない志桜里はアルテミスの美少女たちのキャラクター着ぐるみに魅了されていた。あんな風にキャラクターとして生きれたら最高だろうなあ、といった漠然とした想いが芽生えていた。特に魅了されていたのはその時点ではやっぱり真里亜だった。
作品世界では彼女は家族を航空機事故で全て失い、唯一の肉親である叔父からも遠ざけられ寄宿制女子高に入れられながらも、明るい性格で周囲の人々と友情や愛情を結んでいるというキャラクターだった。その中でも愛情を結んでいるのが基美である。
「どお志桜里! あなたの視線って真里亜に向けられているけど気に入ったかしら?」
一緒にオフ会に来ていた愛梨は志桜里の脇腹にしがみついた。愛梨は小太りの上に身長差があるので、本当は顔に後ろ指をさしたかったけど出来ないので、代わりにわざと志桜里に抱きついたわけだ。
「そうよ。だって主人公じゃないの真里亜は。でも私は出来ないわ。イメージが合わないから」
「イメージ合わないなんて・・・まさか真里亜のコスプレしたかったの?」
「ええ、まあ、なんていうか彼女健気だし逆境に強いし、私も見習わないといけないと、思ってね」
愛梨には話していなかったが、そのころ志桜里は精神的にはまだ事故の後遺症を抱えていた。いわゆるPTSBだ。いまも、チームメイトが亡くなる直前の場面がフラッシュバックするのだ。その場面に出てくるのが「アルテミスの美少女たち」だ。それを思い出すとのめりこまないといけないと思ってしまうのだ。亡くなった二人のため、あんなに二人が好きだった作品に対して。
「でも志桜里。あなたってやっぱり基美の方が良いと思うわよ。身長もあるしアスリート体形だし。それに・・・雰囲気が似ているじゃないの? 姉御肌の感じが!」
「姉御肌?」
「そう姉御肌。だってリーダーシップありそうだし志桜里はね。自分じゃ気付いていないようだけど美人よ。もっと磨いたらだけど・・・」
「磨いたら・・・」
その時、ふと従姉弟の弘樹の事を思い出した。聞いた話では彼は何故か着ぐるみ美少女の撮影に熱を上げているという事だった。でも何故そうなったかは分からないでもなかった。たしか妹の希望で行ったコミックフェスのコスプレ撮影会場で魅了したのかもしれないかと。
「ところで志桜里は着ぐるみしたいと思ったことあるの?」
「着ぐるみって、パンダやウサギの?」
「違うよ。さっきの真里亜なんかの美少女の方よ!」
「そんなの無理じゃないの? お高いしきっと・・・でもチャンスがあればやってもいいかなあ」
志桜里が何気なしにそんなことを口にしていた。それを近くで聞いていたのが、相川だった。
作品世界では彼女は家族を航空機事故で全て失い、唯一の肉親である叔父からも遠ざけられ寄宿制女子高に入れられながらも、明るい性格で周囲の人々と友情や愛情を結んでいるというキャラクターだった。その中でも愛情を結んでいるのが基美である。
「どお志桜里! あなたの視線って真里亜に向けられているけど気に入ったかしら?」
一緒にオフ会に来ていた愛梨は志桜里の脇腹にしがみついた。愛梨は小太りの上に身長差があるので、本当は顔に後ろ指をさしたかったけど出来ないので、代わりにわざと志桜里に抱きついたわけだ。
「そうよ。だって主人公じゃないの真里亜は。でも私は出来ないわ。イメージが合わないから」
「イメージ合わないなんて・・・まさか真里亜のコスプレしたかったの?」
「ええ、まあ、なんていうか彼女健気だし逆境に強いし、私も見習わないといけないと、思ってね」
愛梨には話していなかったが、そのころ志桜里は精神的にはまだ事故の後遺症を抱えていた。いわゆるPTSBだ。いまも、チームメイトが亡くなる直前の場面がフラッシュバックするのだ。その場面に出てくるのが「アルテミスの美少女たち」だ。それを思い出すとのめりこまないといけないと思ってしまうのだ。亡くなった二人のため、あんなに二人が好きだった作品に対して。
「でも志桜里。あなたってやっぱり基美の方が良いと思うわよ。身長もあるしアスリート体形だし。それに・・・雰囲気が似ているじゃないの? 姉御肌の感じが!」
「姉御肌?」
「そう姉御肌。だってリーダーシップありそうだし志桜里はね。自分じゃ気付いていないようだけど美人よ。もっと磨いたらだけど・・・」
「磨いたら・・・」
その時、ふと従姉弟の弘樹の事を思い出した。聞いた話では彼は何故か着ぐるみ美少女の撮影に熱を上げているという事だった。でも何故そうなったかは分からないでもなかった。たしか妹の希望で行ったコミックフェスのコスプレ撮影会場で魅了したのかもしれないかと。
「ところで志桜里は着ぐるみしたいと思ったことあるの?」
「着ぐるみって、パンダやウサギの?」
「違うよ。さっきの真里亜なんかの美少女の方よ!」
「そんなの無理じゃないの? お高いしきっと・・・でもチャンスがあればやってもいいかなあ」
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