【R18】ゼット・ドリーマーズ

来るべきだった世界

４

　僕がタイムリープしてやってきた世界は超管理社会になった2027年の日本で、一般国民が強制的に衣食住を管理する全身スーツを着せられていた。そこには人間味など存在しない世界だった。

　「お前はなぜそこにいる。手をかざせ！」

　いかつい真っ黒で金属的な光沢のあるスーツに覆われたやつは僕の手を取り何かの装置を充てるとこんなことをいった。おかしい、国民登録されていないと。またそいつは一緒にいたホームレスにも同じことをしたが、その装置の画面に数字や文字が浮かんでいた。それはその人の個人情報らしかった。

　「あんたは、逃げんでもいいんじゃないか？　今日は一緒に来てもらおう」

　僕らは連行されることとなった。護送車らしいものが来るのかと思ったら普通のパトカーだった。でも、パトカーに乗っていたのはロボットのようであった。この世界はどうなっているのか？

　「そこの人間態の男！　なぜ正当な理由もなくその姿なのか？」

　警官ロボはそういうので、気が付いたら此処にいて元の世界は多分1997年だったと思うといった。その警官ロボの表情はないので反応は分からなかったが。どうも何かの指示を受けている様だった。

　「仕方ない、とりあえず本部に来てもらう」

　どうやら僕の疑問のいくつかは解明されそうであったが、同時に恐怖感におそわれていた。