AIアイドル活動日誌

メグミはじめての営業に

メグミの改造（１）

　栗林めぐみがハイペリオンスーツによってアイドルロボットに海造されてしまった。本人にはあまりよく説明されていないのは当然である。アイドルになりたいと同意したけど、ロボットにされるなんて分かっていたら絶対にげていたところである。でも、守秘義務を強制的に履行するため結果は同じであっただろう。

　チーム・シグマに所属することになる元少女のAIロボットの「製造」は本人たちの意識がない状態で行われる。その光景はスタッフとリーダーのミナしか見れないことになっている。だからメンバー同士は素体がどのような少女だったのかわからないわけである。

　めぐみは全身を消毒されたうえで、あらかじめ下腹部や腔内や鼻孔などに挿入した状態にされていた。その状態からスタッフがハイペリオンスーツを装着する作業をした。

　めぐみが被験者に選ばれたのはオーディションで３Dスキャンで計測されたボディデータと仮ナンバー「シグマ０５」と呼ばれていたハイペリオンスーツとの相性がいいと判断されたためである。ピンクがイメージカラーの「シグマ０５」は小柄な少女で少しふっくらしたボディラインを持つ子供のようなあどけなさをもつと設定されていた。

　めぐみを素体に「シグマ・０５」の製造が決定されてから、めぐみの身体に装着するように調整した。そのためめぐみを確実に確保しないといけなかったわけだ。何も知らないめぐみはまさにロボットにされようとしていた。