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第一章・異世界にやって来た高校生
07.剣道では対抗できないってば!
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砂丘を歩く少女剣士。こう書くと勇ましいが二人とも今年の春に始めたばかりの素人にしては上手なという程度であった。二人とも防具を纏った姿が戦士のように格好いい! という理由ではじめたのだから動機は不純なのかもしれない。
本当のことを言えば悠亮が三人の中で最も剣道歴が長いのだが、長いというだけで特別強いという訳ではなかった。だから二人に教えることが出来ても、その先の実力の向上が早いので既に互角かそれ以上になっていた。
たぶん異世界にきたのは確かな事だということで、何かを求めて探すほかないのでやってきたのは砂丘の海岸べりにある小屋だった。そこは粗末な木々を集めた掘っ立て小屋みたいで、中から海女さんかなにかが出てきても不思議でない雰囲気だった。しかし、中を覗くと・・・何もなかった。たき火の跡はあったが相当使っていない様子であった。
「悠亮君、何かないか探してもらえない?」
アオイに言われ中に入ってみたが、あったのは薪ぐらいのものだった。食料らしいものも水らしいものもなかった。
「悠亮、何かいい考えないのか? このままでは三人とも飢え死にしてしまうよ!」
エリザベートは少し戸惑った表情をしていた。もし本当なら今頃は家に帰ってご飯を食べて布団に入っていたんだろうか。アッ! 稽古もしていたかもしれないのに、と悠亮は考えたが今ある現実は先が見通せないという事だった。
「ところで、悠亮君。異世界に来たんだからこれからどうなるのか予想できないかな? 」
アオイはそういうと悠亮の目の前で竹刀をふるった。
「何するんだよ! アオイちゃん!」
おもわず悠亮は幼い時のチャン付けをしてしまった。アオイは少し笑いながら言った。
「そうねえ、たしかチート能力というのかしら。異世界に来たら主人公なんかがハイスペックというか超能力を発揮してなんて話になるじゃないの。もしかしたら三人の誰かが備わっているなんてことないかと思ってね。なんか持っていないかしら?」
「そんなことあれば苦労しないでしょ! そんなふうに都合よく話が進むなんてことないでしょ、アオイ!」
エリザベートが言うように、都合よく話が進んでいたらこんな何にもない場所に転移していないといえる。月並みだけど女の子の前に白馬の王子様が現れるかのような事でも起きないかと考えていたところ、寄りかかった板が破れ、そこに井戸が隠れているのを見つける事が出来た。おかげで喉の渇きだけは潤った。
「とりあえず、水は確保出来たわね。あとは・・・」
アオイは井戸のそばにあった小さな焼き物に入れた水を飲みながら途方に暮れていた。他の二人も似たようなモノであった。そんな事で三人はそのまま眠ってしまった。
外が明るくなった時、三人は寒さで目が覚めた。この世界の季節はよくわからないけどもっと寒かったら凍え死んでいても不思議でない状況だった。そんなとき、遠くから馬のような足音が響き始めた。その音は段々と大きくなった。それを聞いたアオイとエリザベートはそのまま竹刀で構えていた。
それにしてもどんな相手かわからないけど剣道では対抗できないってば! といいたかったが言えないのが悠亮だった。
本当のことを言えば悠亮が三人の中で最も剣道歴が長いのだが、長いというだけで特別強いという訳ではなかった。だから二人に教えることが出来ても、その先の実力の向上が早いので既に互角かそれ以上になっていた。
たぶん異世界にきたのは確かな事だということで、何かを求めて探すほかないのでやってきたのは砂丘の海岸べりにある小屋だった。そこは粗末な木々を集めた掘っ立て小屋みたいで、中から海女さんかなにかが出てきても不思議でない雰囲気だった。しかし、中を覗くと・・・何もなかった。たき火の跡はあったが相当使っていない様子であった。
「悠亮君、何かないか探してもらえない?」
アオイに言われ中に入ってみたが、あったのは薪ぐらいのものだった。食料らしいものも水らしいものもなかった。
「悠亮、何かいい考えないのか? このままでは三人とも飢え死にしてしまうよ!」
エリザベートは少し戸惑った表情をしていた。もし本当なら今頃は家に帰ってご飯を食べて布団に入っていたんだろうか。アッ! 稽古もしていたかもしれないのに、と悠亮は考えたが今ある現実は先が見通せないという事だった。
「ところで、悠亮君。異世界に来たんだからこれからどうなるのか予想できないかな? 」
アオイはそういうと悠亮の目の前で竹刀をふるった。
「何するんだよ! アオイちゃん!」
おもわず悠亮は幼い時のチャン付けをしてしまった。アオイは少し笑いながら言った。
「そうねえ、たしかチート能力というのかしら。異世界に来たら主人公なんかがハイスペックというか超能力を発揮してなんて話になるじゃないの。もしかしたら三人の誰かが備わっているなんてことないかと思ってね。なんか持っていないかしら?」
「そんなことあれば苦労しないでしょ! そんなふうに都合よく話が進むなんてことないでしょ、アオイ!」
エリザベートが言うように、都合よく話が進んでいたらこんな何にもない場所に転移していないといえる。月並みだけど女の子の前に白馬の王子様が現れるかのような事でも起きないかと考えていたところ、寄りかかった板が破れ、そこに井戸が隠れているのを見つける事が出来た。おかげで喉の渇きだけは潤った。
「とりあえず、水は確保出来たわね。あとは・・・」
アオイは井戸のそばにあった小さな焼き物に入れた水を飲みながら途方に暮れていた。他の二人も似たようなモノであった。そんな事で三人はそのまま眠ってしまった。
外が明るくなった時、三人は寒さで目が覚めた。この世界の季節はよくわからないけどもっと寒かったら凍え死んでいても不思議でない状況だった。そんなとき、遠くから馬のような足音が響き始めた。その音は段々と大きくなった。それを聞いたアオイとエリザベートはそのまま竹刀で構えていた。
それにしてもどんな相手かわからないけど剣道では対抗できないってば! といいたかったが言えないのが悠亮だった。
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