22 / 36
承章・試験
コスプレ人形(1)
しおりを挟む
人形と人間の違い。それは生命が宿るか宿らないか、自我を持っているかいないか、いろいろとあるだろうけど、わたしの現在の存在はいったいなんだろうか? それを考えると気が狂いそうだった。
わたしは生きているし自我もある。だから喜怒哀楽も当然ある・・・はずなのに、わたしの心と体はマジェスティーの中に封印されていた。その試作五号娘マジェスティーは匡が生み出した悪魔の人形だった!
マジェスティーはフリルのついたドレスを脱ぎ捨て、紫色の変な形をしたセーラー服に袖を通していた。そのセーラー服はいつも思う事であるがアニメの中では画面に彩を添えるものであっても決して実用的なデザインではなかった。そんなセーラー服はコスプレの時にしか絶対着れそうもなかった。
わたしは、そんなセーラー服に袖を通してプリーツスカートを穿き、そして髪の毛を手入れしていた。その一連の行動は機械的に行っていて、わたしはただ傍観するしかなかった。そう、わたしの身体は本当に自動制御された人形のようにしか動けなかった。
その境遇に悲しい想いをしていても決して表情に出すことはなかった。わたしの顔面はアニメマスクに覆われていたからだ。わたしは人間を材料として使った人形でしかなかった・・・
そのアニメマスクも顔とは隙間なく張り付いていて完全に一体化していた。だからマスクがわたしの体表そのものになっていた。しかも、その体表から感覚が情報として認識できるのが気色わるかった。
そんな生きたコスプレ人形にされたわたしは、このままの姿で生きて行かないといけないのだろうか? 匡の奴は”十日間”なんて言っていたけどそんな約束なんかは反故にされそうだった。それって、釣った魚にはエサをやらないというわけではないけど、人形にした娘を元に戻す約束なんか守らないみたいな・・・
そんな考えをよそに、マジェスティーの人形は颯爽とした姿を大きな鏡に映して身体をくねらしていた。月並みな表現だけど、それはまるでアニメの世界から出てきたようなものであった。ただ違うのはその姿の中に哀れな少女の肉体が内臓として閉じ込められているということだった・・・
マジェスティーの身体は操縦され狂ったように踊りまくった。そのなかには作品中に披露するアクションもあった。そのような激しい動きをされるので”内臓”のわたしの肉体は酷使されていた。もともと体育が苦手でプロポーションを維持するために体操するのが精いっぱいのわたしには堪えるものだった。それでも、自分には止めることは出来なかった。だからマジェスティーの躍動は止まることはなかった。
わたしは生きているし自我もある。だから喜怒哀楽も当然ある・・・はずなのに、わたしの心と体はマジェスティーの中に封印されていた。その試作五号娘マジェスティーは匡が生み出した悪魔の人形だった!
マジェスティーはフリルのついたドレスを脱ぎ捨て、紫色の変な形をしたセーラー服に袖を通していた。そのセーラー服はいつも思う事であるがアニメの中では画面に彩を添えるものであっても決して実用的なデザインではなかった。そんなセーラー服はコスプレの時にしか絶対着れそうもなかった。
わたしは、そんなセーラー服に袖を通してプリーツスカートを穿き、そして髪の毛を手入れしていた。その一連の行動は機械的に行っていて、わたしはただ傍観するしかなかった。そう、わたしの身体は本当に自動制御された人形のようにしか動けなかった。
その境遇に悲しい想いをしていても決して表情に出すことはなかった。わたしの顔面はアニメマスクに覆われていたからだ。わたしは人間を材料として使った人形でしかなかった・・・
そのアニメマスクも顔とは隙間なく張り付いていて完全に一体化していた。だからマスクがわたしの体表そのものになっていた。しかも、その体表から感覚が情報として認識できるのが気色わるかった。
そんな生きたコスプレ人形にされたわたしは、このままの姿で生きて行かないといけないのだろうか? 匡の奴は”十日間”なんて言っていたけどそんな約束なんかは反故にされそうだった。それって、釣った魚にはエサをやらないというわけではないけど、人形にした娘を元に戻す約束なんか守らないみたいな・・・
そんな考えをよそに、マジェスティーの人形は颯爽とした姿を大きな鏡に映して身体をくねらしていた。月並みな表現だけど、それはまるでアニメの世界から出てきたようなものであった。ただ違うのはその姿の中に哀れな少女の肉体が内臓として閉じ込められているということだった・・・
マジェスティーの身体は操縦され狂ったように踊りまくった。そのなかには作品中に披露するアクションもあった。そのような激しい動きをされるので”内臓”のわたしの肉体は酷使されていた。もともと体育が苦手でプロポーションを維持するために体操するのが精いっぱいのわたしには堪えるものだった。それでも、自分には止めることは出来なかった。だからマジェスティーの躍動は止まることはなかった。
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる