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男の娘は花嫁として売られてしまう
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劉慶は孤児だった。神大皇帝による圧政で両親が死んだからだ。おかげで彼は10歳で自分の力で生きていくしかなかった。ただ彼には大きな特徴があった。心は男なのに女にしか見えないのだ。だから女の子の振りをして人を欺く犯罪に手を染めていた。犯罪がバレてしまったら男のように振舞って逃げればよかった。
そんな劉慶にある儲け話が来た。花嫁にならないかというのだ。それは血縁など全く重視しない、女をただの労働力としか見ていない農村部に売られる花嫁になれというのだ。そんな女は大抵の場合は誘拐するか騙すかで調達するが、男がやる場合があるという。小柄で可愛らしい容姿をした彼女いや彼には適任だといえた。
その時、劉慶が持ち掛けられた話はこうだ。まず、本物の女になりすまして売られる花嫁になる。結婚式のときに代金を受け取るので、後は男とバレないうちに逃げるというものだ。なぜ本物の女を使わないかというと、そこから逃げるのは女では無理だし、それに詐欺に加担する女もいないからだという。
「それじゃあ、俺は逃げればいいんだな!」
劉慶は今回の悪事の首謀者である黄世凱と悪事の段取りをはなしていた。黄によれば西域の人が寄り付かぬ奥地にいる莫大な富を持つ一族が若い17歳ぐらいの娘を連れてきたら褒美をとらせるというのだ。その褒美は金100貫だという。それだけあれば一生左団扇で生活してもあまりあるというのだ。
「そうさ! あんたは逃げるのはお得意だろ! 婚礼で一族郎党は酔っぱらっているだろうから隙なんていくらでもできるだろ! それで逃げたら先の方で待っているから、追いついたらあんたの分け前をやるから」
そう、計画では売られた花嫁は逃げ出す事になっていた。金を貰ったら後は逃げるだけだという。これはうまい話だと劉慶が思っていたら、太ももに手が触れる感覚があった。
「なにするんだよ! おめい!」
「すまん、ムラムラしてしまったんだ。本当にあんたは女じゃねいか?」
「女じゃねえ! みせてやる!」
劉慶は着物の裾をまくり上げ股間を露わにした。それを見れば誰でも男だというしかないものが立派にぶら下がっていた。でも、それは美しいものに生えた野獣のかけらのようでもあった。
「わーた! わかったから見せんでもいい! ほんまに男だったんか? 欲情してしまったわしが恥ずかしいぜ! それにしても、生まれてくるのが間違えたんじゃねえかよ!」
「しかたないだろ! 俺だってこうなりたくねえんだ! でも、こうやって悪さの武器になるからいいけどな。じゃあ、その話俺は乗るぜ!」
こうして劉慶は西域へと旅立った。そこで彼は溺愛されるようになるとも知らずに。
そんな劉慶にある儲け話が来た。花嫁にならないかというのだ。それは血縁など全く重視しない、女をただの労働力としか見ていない農村部に売られる花嫁になれというのだ。そんな女は大抵の場合は誘拐するか騙すかで調達するが、男がやる場合があるという。小柄で可愛らしい容姿をした彼女いや彼には適任だといえた。
その時、劉慶が持ち掛けられた話はこうだ。まず、本物の女になりすまして売られる花嫁になる。結婚式のときに代金を受け取るので、後は男とバレないうちに逃げるというものだ。なぜ本物の女を使わないかというと、そこから逃げるのは女では無理だし、それに詐欺に加担する女もいないからだという。
「それじゃあ、俺は逃げればいいんだな!」
劉慶は今回の悪事の首謀者である黄世凱と悪事の段取りをはなしていた。黄によれば西域の人が寄り付かぬ奥地にいる莫大な富を持つ一族が若い17歳ぐらいの娘を連れてきたら褒美をとらせるというのだ。その褒美は金100貫だという。それだけあれば一生左団扇で生活してもあまりあるというのだ。
「そうさ! あんたは逃げるのはお得意だろ! 婚礼で一族郎党は酔っぱらっているだろうから隙なんていくらでもできるだろ! それで逃げたら先の方で待っているから、追いついたらあんたの分け前をやるから」
そう、計画では売られた花嫁は逃げ出す事になっていた。金を貰ったら後は逃げるだけだという。これはうまい話だと劉慶が思っていたら、太ももに手が触れる感覚があった。
「なにするんだよ! おめい!」
「すまん、ムラムラしてしまったんだ。本当にあんたは女じゃねいか?」
「女じゃねえ! みせてやる!」
劉慶は着物の裾をまくり上げ股間を露わにした。それを見れば誰でも男だというしかないものが立派にぶら下がっていた。でも、それは美しいものに生えた野獣のかけらのようでもあった。
「わーた! わかったから見せんでもいい! ほんまに男だったんか? 欲情してしまったわしが恥ずかしいぜ! それにしても、生まれてくるのが間違えたんじゃねえかよ!」
「しかたないだろ! 俺だってこうなりたくねえんだ! でも、こうやって悪さの武器になるからいいけどな。じゃあ、その話俺は乗るぜ!」
こうして劉慶は西域へと旅立った。そこで彼は溺愛されるようになるとも知らずに。
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