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(3)甲冑娘に戻ってから
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ウマールと別れたセツナは裏口から錬金術師の館に戻った。すぐに借りていた服を返すと毛布で体を包んで戻って来た。甲冑娘に戻るために!
もし許されるのならそのまま逃げても構わないが、甲冑娘になっている間、生体装甲の一部が身体に入ったままになっているので、長い時間いまのまま人間の娘でいると衰弱死する危険がある。だから正式に除隊になるまで、逃げるのは死を意味していた。
「セツナ! 楽しんできたウマール書記官と」
そうやって出迎えてくれたのは同じ甲冑娘の「ティンライン」ことアムルだった。彼女は「ヴァンジャリーナ」とほぼ同じスペックだったが、色が藍色だった。ウマールが管轄する甲冑娘は二体のみであったが、それはウマールはさる高貴な身分なので一種の修行として書記官を勤めているにすぎないからだ。
甲冑娘は互いだけの時は「セツナ」や「アムル」と呼び合う事が出来るが、その他の人物と接触している時には決して語ることができなかった。「内臓」の正体は知られては困るからだ。
その理由は明らかではないが「アムル」は、甲冑娘たちが所属する「王国機動軍」の最高指導者である国王の第四王女ということも関係しているかもしれなかった。
「さあセツナ。名残惜しいかもしれないけど、そろそろ甲冑の中に入りなさいよ」
甲冑の整備をしていた女性錬金術師のキャルに促された。キャルは「王国機動軍」専属の甲冑娘の管理官で、全ての「内臓」の素性を把握していた。彼女の手で全ての甲冑娘が誕生していた。
「キャル様。今度の任務はどうなります?」
セツナは少し不安になっていた。「ヴァンジャリーナ」の外観が大きく変わっていたからだ。
「お前さんはよくやってくれた! だから一つ上の階級に性能を向上させたから。まあ、しばらく慣れるまでには時間がかかるかもしれないけど、今までよりも激しい動きが出来るようになるから」
そういわれたが、セツナは本当は普通の生活をしたかった。もし甲冑娘を辞める事ができるのなら辞めたかった。でもウマールと一緒にいられるのならこのままでもいいと思っていた。
裸になったセツナはバラバラになっている「ヴァンジャリーナ」の甲冑に潜り込んでいった。この「ヴァンジャリーナ」は、セツナの体内に挿入された制御器官に反応して動き始めるため、セツナ以外の娘は着れない状態になっていた。
「どお、セツナ? 気持ちいい?」
「気持ちいいわけないでしょ! あなただって甲冑娘になるときが一番嫌だといっているじゃないのよ!」
そうセツナが言ったのは甲冑娘の内臓にされる時に、生体装甲から無数の管が伸びてきて身体に張り付いてくるのが苦痛だったからだ。そう甲冑娘になるのは人間であることを捨てる事だった。
「そうだねえ、でも甲冑娘になってしまえば、自分で食事する必要はないし、寝ているときでも用事はすむからね。なんだって私らは内臓なんだから」
セツナを甲冑娘の内臓にするために、生体装甲とも呼ばれる甲冑の内部から触手のようなモノが伸びてきた。それはセツナを捕食しようとしているように見えて気色悪かった。その触手がセツナの体内へと侵入し始めた!
「うあ、あ・・・、う・・・」
セツナは叫びたかったが、口と鼻から侵入してきた触手に阻まれ言葉にならなかった。また目から涙が溢れていたけど、その瞳も覆われてしまった。セツナの身体は「ヴァンジャリーナ」と融合してしまった。
「さあセツナ気が付いたヴァンジャリーナとして? 起き上がって!」
キャルはそういってヴァンジャリーナに語りかけた。ヴァンジャリーナには力がみなぎっていた。内臓と甲冑が完全に融合したからだ。セツナという少女は甲冑のなかに溶け込んでいった。
「ふう、気持ちいいなあ! 本当に動きやすいよ今度のヴァンジャリーナは」
ヴァンジャリーナの紅の甲冑はむくりと起き上がった。女性らしいボディラインの甲冑娘は自分の身体を確認していた。さっきまでの白くひ弱な少女の姿ではない自分に少しうっとりとしていた。それにセツナという少女の姿は消えてしまった。
しかし消えないものがあった。ウマールへの恋心だ! ヴァンジャリーナは食堂にいるウマールの元に向った。
「ウマール様、整備完了いたしました! どうですか私の装備は」
ヴァンジャリーナはウマールに確認してもらっていた。きちんと整備されているか、また新しい装備品が取り付けられているかを。その時、ウマールの手が触れるのを気持ちよい刺激と感じていた。そのとき、胸に手が触れ唇を重ねた事を思い出した。
また、ああいう事を彼としたいと思ったけど、ヴァンジャリーナの胸は硬い装甲に覆われ、唇は露出していなかった。甲冑娘でいる限りあのような事が出来ないのが悲しかった。
「よしヴァンジャリーナ。問題ない! 取りあえず今日は休んでくれ。明日は南の湖に向って夏季定期演習を行うからそのつもりで!」
そういって一行三人は同じ部屋に向った。これはパーティーは原則として同室しないといけないという規則があるためだけど、甲冑娘が書記官を守るためでもあった。その時間はヴァンジャリーナは愛おしかった。まあティンラインが邪魔というか一緒だけど。
ウマールの寝顔をみていて、昼間の事を思い出していた。セツナとして過ごした楽しい時間を・・・
もし許されるのならそのまま逃げても構わないが、甲冑娘になっている間、生体装甲の一部が身体に入ったままになっているので、長い時間いまのまま人間の娘でいると衰弱死する危険がある。だから正式に除隊になるまで、逃げるのは死を意味していた。
「セツナ! 楽しんできたウマール書記官と」
そうやって出迎えてくれたのは同じ甲冑娘の「ティンライン」ことアムルだった。彼女は「ヴァンジャリーナ」とほぼ同じスペックだったが、色が藍色だった。ウマールが管轄する甲冑娘は二体のみであったが、それはウマールはさる高貴な身分なので一種の修行として書記官を勤めているにすぎないからだ。
甲冑娘は互いだけの時は「セツナ」や「アムル」と呼び合う事が出来るが、その他の人物と接触している時には決して語ることができなかった。「内臓」の正体は知られては困るからだ。
その理由は明らかではないが「アムル」は、甲冑娘たちが所属する「王国機動軍」の最高指導者である国王の第四王女ということも関係しているかもしれなかった。
「さあセツナ。名残惜しいかもしれないけど、そろそろ甲冑の中に入りなさいよ」
甲冑の整備をしていた女性錬金術師のキャルに促された。キャルは「王国機動軍」専属の甲冑娘の管理官で、全ての「内臓」の素性を把握していた。彼女の手で全ての甲冑娘が誕生していた。
「キャル様。今度の任務はどうなります?」
セツナは少し不安になっていた。「ヴァンジャリーナ」の外観が大きく変わっていたからだ。
「お前さんはよくやってくれた! だから一つ上の階級に性能を向上させたから。まあ、しばらく慣れるまでには時間がかかるかもしれないけど、今までよりも激しい動きが出来るようになるから」
そういわれたが、セツナは本当は普通の生活をしたかった。もし甲冑娘を辞める事ができるのなら辞めたかった。でもウマールと一緒にいられるのならこのままでもいいと思っていた。
裸になったセツナはバラバラになっている「ヴァンジャリーナ」の甲冑に潜り込んでいった。この「ヴァンジャリーナ」は、セツナの体内に挿入された制御器官に反応して動き始めるため、セツナ以外の娘は着れない状態になっていた。
「どお、セツナ? 気持ちいい?」
「気持ちいいわけないでしょ! あなただって甲冑娘になるときが一番嫌だといっているじゃないのよ!」
そうセツナが言ったのは甲冑娘の内臓にされる時に、生体装甲から無数の管が伸びてきて身体に張り付いてくるのが苦痛だったからだ。そう甲冑娘になるのは人間であることを捨てる事だった。
「そうだねえ、でも甲冑娘になってしまえば、自分で食事する必要はないし、寝ているときでも用事はすむからね。なんだって私らは内臓なんだから」
セツナを甲冑娘の内臓にするために、生体装甲とも呼ばれる甲冑の内部から触手のようなモノが伸びてきた。それはセツナを捕食しようとしているように見えて気色悪かった。その触手がセツナの体内へと侵入し始めた!
「うあ、あ・・・、う・・・」
セツナは叫びたかったが、口と鼻から侵入してきた触手に阻まれ言葉にならなかった。また目から涙が溢れていたけど、その瞳も覆われてしまった。セツナの身体は「ヴァンジャリーナ」と融合してしまった。
「さあセツナ気が付いたヴァンジャリーナとして? 起き上がって!」
キャルはそういってヴァンジャリーナに語りかけた。ヴァンジャリーナには力がみなぎっていた。内臓と甲冑が完全に融合したからだ。セツナという少女は甲冑のなかに溶け込んでいった。
「ふう、気持ちいいなあ! 本当に動きやすいよ今度のヴァンジャリーナは」
ヴァンジャリーナの紅の甲冑はむくりと起き上がった。女性らしいボディラインの甲冑娘は自分の身体を確認していた。さっきまでの白くひ弱な少女の姿ではない自分に少しうっとりとしていた。それにセツナという少女の姿は消えてしまった。
しかし消えないものがあった。ウマールへの恋心だ! ヴァンジャリーナは食堂にいるウマールの元に向った。
「ウマール様、整備完了いたしました! どうですか私の装備は」
ヴァンジャリーナはウマールに確認してもらっていた。きちんと整備されているか、また新しい装備品が取り付けられているかを。その時、ウマールの手が触れるのを気持ちよい刺激と感じていた。そのとき、胸に手が触れ唇を重ねた事を思い出した。
また、ああいう事を彼としたいと思ったけど、ヴァンジャリーナの胸は硬い装甲に覆われ、唇は露出していなかった。甲冑娘でいる限りあのような事が出来ないのが悲しかった。
「よしヴァンジャリーナ。問題ない! 取りあえず今日は休んでくれ。明日は南の湖に向って夏季定期演習を行うからそのつもりで!」
そういって一行三人は同じ部屋に向った。これはパーティーは原則として同室しないといけないという規則があるためだけど、甲冑娘が書記官を守るためでもあった。その時間はヴァンジャリーナは愛おしかった。まあティンラインが邪魔というか一緒だけど。
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