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(2)逢瀬

白骨から・・・

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 アメーバーのようなものに覆われた静香は軟組織を分解され白骨化してしまった・では目の前にいるバケモノになった静香はいったいなんだろうか?

 「静香、お前死んでいるんじゃないの?」

 「門田君、その言葉は正しいわ! あなたが知っている静香の体はこの時消失したのよ! いま目の前にいるのはバケモノの身体を構成する素材にされたのだから!」

 「それって一体・・・」

 「見ていてね。これから”生物兵器”として生まれ変わる私を!」

 画像に写っている画像の静香は、死体そのものにしか見えなかった。ついさっきまで自分が見たことの無かった生まれたばかりの姿のような綺麗な裸の静香が無残なすがたになったようにしか見えなかった。

 いま写っているのは赤みを帯びたゲル状の液体に浮かぶ静香の白骨だった。その姿は小学校の理科室にあった骨格標本のようだった。でも、さっきまで恐怖に顔を引きつっていた幼馴染で彼女の変わり果てた姿だった!

 その静香の人間体を破壊したアメーバー状のものは、表面が少しずつ変色し始めた。それは蛹のようなものへと変化しはじめた。

 「静香、これっていったい?」

 「こいつはねえ、わたしの”身体”を”素材”にしてこのバケモノに作り変えたのよ! もう人間にもどれないよ・・・」

 静香は悲しそうな素振りをしていたが、そのバケモノの胸は豊満だった静香の胸の面影があった・・・
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