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三姉妹との邂逅
155・三姉妹との邂逅(2)
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愛莉は旧時代の「遺物」のようなパソコンに四苦八苦していた。ちなみに現在の丹下教授は小型タブレットで全ての業務をしているので、こんなパソコンを使っている姿は見たことなかった。操作している間、愛莉は今まで疑問に思っていたことの一部を淳司にぶつけてみた。
「なんか、反応速度が遅いわ? まさか時間切れなんてないよね、淳司」
「それは大丈夫。主観的時間は長くかかっていても客観的時間は大したことないから」
「なにそれ?」
「いま感じているものすべては電気信号のやり取りって事さ。もっとも生体脳も同じだけどで。あっ、すまん俺も愛莉ちゃんも電脳にされていたんだ」
「そうなの? 淳司も電脳にされているわけなの?」
「そういうこと!」
「それよりも、どうして私って冤罪で全身拘束刑される羽目になったの? まさか淳司のクライアントの仕業?」
「それはない! 誓っていう! 連中の動きは察知していたけど、気付いたのは君の措置が終わっていた後だ。だから慌ててやってきたわけだ山崎技師のところに」
「なら、早く気付いてほしかったものね。もし、全身拘束刑を受けていなかったらどうするつもりだったの?」
「そのときは・・・プランが決まっていなかったけど、君が防衛相の機密ファイルに掛けられていた暗号を解除したから、そうだね。とりあえず協力してもらいたかったね。そしたら警察の連行されてしまったから・・・」
「なんか、歯に物が挟まったような言い方だね。それって私が拘束されるのが分からなかったというの?」
「そういうことなんだ。実はクライアントも俺もその時日本にいなくて・・・状況が分かった時には君は秘密裡に裁判をかけられていてね・・・まあ、この際言っておくけど、君は本当は正式な裁判にかけられていないんだ。気づいているかもしれないけど」
「やっぱり! あんな出鱈目な裁判で全身拘束刑にされるだなんて、2020年代の暗黒時代と一緒じゃないのよ! それにしても、なんで全身拘束刑に出来たのよ! あんな、金属と樹脂で出来たロボットにしてしまうなんて! あたしって恋愛もしたことないのよ! ずっと全寮制の女子高に通っていたしね。誰が本当に悪いのよ!」
「それは、連中さ! まだ、詳しくは言えないけど、とりあえず言えるのはあの三姉妹が封印していたエキゾチックブレインの秘密を知りたかったから、暗号を解除した愛莉ちゃんを電脳にして使おうとしたわけさ。ほら、理工学部で使われているガイノイド・アイリは今頃、連中が必死になっている作業の手伝いをさせられているさ」
「じゃあ、わざわざ電脳を同期させたのは、何の意味があったというのよ!」
「それは・・・バレるのを遅らせるためだったけど・・・まずい事になっていてね」
「まずいって? なによ」
「さっき、君の電脳を丹下犯罪学研究所のアーカイブに繋げていたクラウゼなんだ」
「クラウゼさんって・・・あの技師の?」
「そのクラウゼが裏切ったかかもしれないんだ。君と此処に潜入する前に、あいつに頭を殴られてしまって・・・気が付いたら愛莉ちゃんと一緒に仮想空間にいたわけで」
「それって、よく状況が分からないけど?」
「俺の電脳に細工したようなんだ。その可能性があるから、ここで三姉妹に会ったとしても全て連中に漏れてしまうかもしれない」
「なんだって? それじゃあ、ここに永久に閉じ込められる可能性もあるの?」
「ゼロではないんだな、それが。まあ、なんとかなるさ」
「なんとかなるさって・・・どういうことよ! なんとかしてちょうだいよ! こんな女子高生の姿のままでなんかいたくないのよ! ましてや機械の身体のままも!」
「すまん! すまん! すまん!」
「本当に、どうなっているのよ! ちょっとまって、解除できたみたい!」
二人が言い合いをしている間に、愛莉は丹下教授が秘匿していた三姉妹の人格ファイルを開くことが出来たようだ。
「解除できたけど・・・どのようにすれば三姉妹とお話しできるのよ! このパソコンには音声入力機能も脳波読み取り機能もないのに・・・まさか、このブラウン管から出てくるわけなの? そんな漫画みたいなことないよね?」
愛莉がブツブツいっていると、背後から人の気配がした。振り返った二人が見たのは、探していた三人だった。
「なんか、反応速度が遅いわ? まさか時間切れなんてないよね、淳司」
「それは大丈夫。主観的時間は長くかかっていても客観的時間は大したことないから」
「なにそれ?」
「いま感じているものすべては電気信号のやり取りって事さ。もっとも生体脳も同じだけどで。あっ、すまん俺も愛莉ちゃんも電脳にされていたんだ」
「そうなの? 淳司も電脳にされているわけなの?」
「そういうこと!」
「それよりも、どうして私って冤罪で全身拘束刑される羽目になったの? まさか淳司のクライアントの仕業?」
「それはない! 誓っていう! 連中の動きは察知していたけど、気付いたのは君の措置が終わっていた後だ。だから慌ててやってきたわけだ山崎技師のところに」
「なら、早く気付いてほしかったものね。もし、全身拘束刑を受けていなかったらどうするつもりだったの?」
「そのときは・・・プランが決まっていなかったけど、君が防衛相の機密ファイルに掛けられていた暗号を解除したから、そうだね。とりあえず協力してもらいたかったね。そしたら警察の連行されてしまったから・・・」
「なんか、歯に物が挟まったような言い方だね。それって私が拘束されるのが分からなかったというの?」
「そういうことなんだ。実はクライアントも俺もその時日本にいなくて・・・状況が分かった時には君は秘密裡に裁判をかけられていてね・・・まあ、この際言っておくけど、君は本当は正式な裁判にかけられていないんだ。気づいているかもしれないけど」
「やっぱり! あんな出鱈目な裁判で全身拘束刑にされるだなんて、2020年代の暗黒時代と一緒じゃないのよ! それにしても、なんで全身拘束刑に出来たのよ! あんな、金属と樹脂で出来たロボットにしてしまうなんて! あたしって恋愛もしたことないのよ! ずっと全寮制の女子高に通っていたしね。誰が本当に悪いのよ!」
「それは、連中さ! まだ、詳しくは言えないけど、とりあえず言えるのはあの三姉妹が封印していたエキゾチックブレインの秘密を知りたかったから、暗号を解除した愛莉ちゃんを電脳にして使おうとしたわけさ。ほら、理工学部で使われているガイノイド・アイリは今頃、連中が必死になっている作業の手伝いをさせられているさ」
「じゃあ、わざわざ電脳を同期させたのは、何の意味があったというのよ!」
「それは・・・バレるのを遅らせるためだったけど・・・まずい事になっていてね」
「まずいって? なによ」
「さっき、君の電脳を丹下犯罪学研究所のアーカイブに繋げていたクラウゼなんだ」
「クラウゼさんって・・・あの技師の?」
「そのクラウゼが裏切ったかかもしれないんだ。君と此処に潜入する前に、あいつに頭を殴られてしまって・・・気が付いたら愛莉ちゃんと一緒に仮想空間にいたわけで」
「それって、よく状況が分からないけど?」
「俺の電脳に細工したようなんだ。その可能性があるから、ここで三姉妹に会ったとしても全て連中に漏れてしまうかもしれない」
「なんだって? それじゃあ、ここに永久に閉じ込められる可能性もあるの?」
「ゼロではないんだな、それが。まあ、なんとかなるさ」
「なんとかなるさって・・・どういうことよ! なんとかしてちょうだいよ! こんな女子高生の姿のままでなんかいたくないのよ! ましてや機械の身体のままも!」
「すまん! すまん! すまん!」
「本当に、どうなっているのよ! ちょっとまって、解除できたみたい!」
二人が言い合いをしている間に、愛莉は丹下教授が秘匿していた三姉妹の人格ファイルを開くことが出来たようだ。
「解除できたけど・・・どのようにすれば三姉妹とお話しできるのよ! このパソコンには音声入力機能も脳波読み取り機能もないのに・・・まさか、このブラウン管から出てくるわけなの? そんな漫画みたいなことないよね?」
愛莉がブツブツいっていると、背後から人の気配がした。振り返った二人が見たのは、探していた三人だった。
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