171 / 200
三姉妹との邂逅
154・三姉妹との邂逅(1)
しおりを挟む
愛莉はこんな恐れがあった。利用されるだけ利用されて結局は全身拘束刑の囚人として半永久的にガイノイドとして酷使されると。その場合、自我を消去されただの機械として存在するだろう。最初にあの山崎技師によって身も心も機械になった姿で、修理不能でスクラップにされる日まで。
「じゃあ、ジャンプしよう。ここから丹下教授はあの電脳から三姉妹のメモリーにアクセスするから、出来るのさ!」
淳司はそういうとロッカーから愛莉の手を引いて飛び出した。一瞬、丹下教授に見つかると思ったが、これはアーカイブなので問題なかった。そして一階の丹下教授のデスクの上にある、なんとも古めかしいパソコンがあった。それは年代物のブラウン管を使ったデスクトップ型で、キーボードも非接触型ではなかった。それを見た愛莉は・・・
「これ、使えるのですか?」
あまりのボロさに呆れてしまった。
「大丈夫さ、丹下教授はそのパソコンをメンテナンスしながら三十年使っていたんだから。さすがにブラウン管モニターは第三次世界大戦が起きた時でも古臭かっただろうけど」
「それで、これから?」
「まず、立ち上げて・・・電源を入れて起動して。まあ、使った事ないだろうね君は」
立ち上げて? 意味は何となくわかったけど愛莉の頭は疑問符だらけだった。これがパソコン? 古い時代のドラマや映画でしか見たことないものだった。それを使えだなんて。まあ、これも仮想空間でしかないけど。愛莉は電源スイッチを入れて、画面にプログラムが開くのを待っていた。
「ウィンドウズ10? 聞いたことあるけど、大昔よ」
「ああ、丹下教授はサイバテック技術の、人間の身体を機械にする研究の統括をしていたけど、コンピューターのスキルは保守的過ぎて2010年代から変わっていないのさ。おかげで、いろいろと問題があってね」
「問題?」
「そう、最新の情報技術じゃアクセスできないように隠していたのさ。三姉妹の人格情報ファイルを。しかも、暗号でカギをして。君は似たようなカギを解除できたから協力してもらうのさ」
淳司はそういうが、愛莉は大昔のパソコンを操作するのに四苦八苦していた。このキーボードって反応が遅いし、マウスなのよね、なんかコードが付いているし、とにかくやりにくかった。
「じゃあ、ジャンプしよう。ここから丹下教授はあの電脳から三姉妹のメモリーにアクセスするから、出来るのさ!」
淳司はそういうとロッカーから愛莉の手を引いて飛び出した。一瞬、丹下教授に見つかると思ったが、これはアーカイブなので問題なかった。そして一階の丹下教授のデスクの上にある、なんとも古めかしいパソコンがあった。それは年代物のブラウン管を使ったデスクトップ型で、キーボードも非接触型ではなかった。それを見た愛莉は・・・
「これ、使えるのですか?」
あまりのボロさに呆れてしまった。
「大丈夫さ、丹下教授はそのパソコンをメンテナンスしながら三十年使っていたんだから。さすがにブラウン管モニターは第三次世界大戦が起きた時でも古臭かっただろうけど」
「それで、これから?」
「まず、立ち上げて・・・電源を入れて起動して。まあ、使った事ないだろうね君は」
立ち上げて? 意味は何となくわかったけど愛莉の頭は疑問符だらけだった。これがパソコン? 古い時代のドラマや映画でしか見たことないものだった。それを使えだなんて。まあ、これも仮想空間でしかないけど。愛莉は電源スイッチを入れて、画面にプログラムが開くのを待っていた。
「ウィンドウズ10? 聞いたことあるけど、大昔よ」
「ああ、丹下教授はサイバテック技術の、人間の身体を機械にする研究の統括をしていたけど、コンピューターのスキルは保守的過ぎて2010年代から変わっていないのさ。おかげで、いろいろと問題があってね」
「問題?」
「そう、最新の情報技術じゃアクセスできないように隠していたのさ。三姉妹の人格情報ファイルを。しかも、暗号でカギをして。君は似たようなカギを解除できたから協力してもらうのさ」
淳司はそういうが、愛莉は大昔のパソコンを操作するのに四苦八苦していた。このキーボードって反応が遅いし、マウスなのよね、なんかコードが付いているし、とにかくやりにくかった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる