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序章:仕事をさがしています!
001.仕事をさがしています
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四国の山奥から上京し、貧しくウダツの上がらない派遣社員人生を送っていた益山沙羅にとって、四月のある日に言い渡された事は晴天の霹靂だった。突然、派遣契約を打ち切られたのだ! なにも不祥事をしていないというのに。
その日まで沙羅はとある企業の事務の派遣をしていたが、自分では無難にこなしていると思っていたのに、どうしてそんなことになったのか分からなくて困惑していた。
「すまないが、明日からここに来なくて良いぞ。契約打ち切りということだ。まあ契約期間が残っているので、会社都合退社ということだ。よかったよね、手続き後一週間で失業保険の支給を受けれるから」
「わたし何か拙い事をしたのですか? それに突然打ち切りなんてひどいではありませんか!」
沙羅は職場の上司に思わず食って掛かっていた。でも本当の理由はなんとなく気付き始めていた。
「わかっているだろう、そんなこと! 気付いているだろ君も! うちが経営破綻したということだ! もう仕事はないんだよ、君も僕も。
僕の方が再就職しようにも中高年だから厳しいのだぞ、君は若いしツブシが利くし・・・ まあ、そういうことだ健闘を祈るよ!」
なんのことはない派遣先が倒産したということだ。最近業務量が極端に少なくなって、早く退社するようにと促されることもしばしばあったし。
たしかにこれでは仕方がない・・・というよりも、明日からどうしよう? 明日から駅前でチラシ配りのバイトでもしようか、それとも・・・
沙羅は仕方なく帰る事にした。不要の段ボールにわずかな私物を入れて、その途中で就職関係の無料パンフレットを突っ込んでいると自然と涙が出てきた。
高校を卒業して田舎暮らしが嫌なので、半ば家出同然に東京に出てきたものの、正社員になる事が出来ず、生活のためにアルバイトや派遣社員をしていたけど、こんな目に遭うとは。
「あーあ、こんなんなら田舎で誰かと結婚しとけば、よかったわ。同級生の中にはしているんのがいるというのに」
そんな愚痴をいっていたが、ふと目を上げると大きくて綺麗な広告が眼に入った。それは国内最大規模の遊園地”ネヴァー・ドリームランド”のものだった。
「夢の国の住民と楽しみましょうか・・・そんな夢ばっかり求めていけるのなら、苦労などせんというのにね。それにしても入場料高いわ! わたしの一日の派遣賃金よりも高いわ! 行けるわけねえんじゃないのよ!」
沙羅は一人で突っ込んでいた。そういえば彼氏とのデートでそこの遊園地に行ったと自慢している女友達がいたけど、そんな大人が楽しめるような遊園地になんかいった事がなかった。当然、ネヴァー・ドリームランドに行った事は無かった。
「あーあ! 彼氏なし人生まっしぐらで、お一人様人生! 本当にわたしの人生お先真っ暗だわ!」
沙羅は半ば開き直っていたが、心は深く沈んだままだった。
その日まで沙羅はとある企業の事務の派遣をしていたが、自分では無難にこなしていると思っていたのに、どうしてそんなことになったのか分からなくて困惑していた。
「すまないが、明日からここに来なくて良いぞ。契約打ち切りということだ。まあ契約期間が残っているので、会社都合退社ということだ。よかったよね、手続き後一週間で失業保険の支給を受けれるから」
「わたし何か拙い事をしたのですか? それに突然打ち切りなんてひどいではありませんか!」
沙羅は職場の上司に思わず食って掛かっていた。でも本当の理由はなんとなく気付き始めていた。
「わかっているだろう、そんなこと! 気付いているだろ君も! うちが経営破綻したということだ! もう仕事はないんだよ、君も僕も。
僕の方が再就職しようにも中高年だから厳しいのだぞ、君は若いしツブシが利くし・・・ まあ、そういうことだ健闘を祈るよ!」
なんのことはない派遣先が倒産したということだ。最近業務量が極端に少なくなって、早く退社するようにと促されることもしばしばあったし。
たしかにこれでは仕方がない・・・というよりも、明日からどうしよう? 明日から駅前でチラシ配りのバイトでもしようか、それとも・・・
沙羅は仕方なく帰る事にした。不要の段ボールにわずかな私物を入れて、その途中で就職関係の無料パンフレットを突っ込んでいると自然と涙が出てきた。
高校を卒業して田舎暮らしが嫌なので、半ば家出同然に東京に出てきたものの、正社員になる事が出来ず、生活のためにアルバイトや派遣社員をしていたけど、こんな目に遭うとは。
「あーあ、こんなんなら田舎で誰かと結婚しとけば、よかったわ。同級生の中にはしているんのがいるというのに」
そんな愚痴をいっていたが、ふと目を上げると大きくて綺麗な広告が眼に入った。それは国内最大規模の遊園地”ネヴァー・ドリームランド”のものだった。
「夢の国の住民と楽しみましょうか・・・そんな夢ばっかり求めていけるのなら、苦労などせんというのにね。それにしても入場料高いわ! わたしの一日の派遣賃金よりも高いわ! 行けるわけねえんじゃないのよ!」
沙羅は一人で突っ込んでいた。そういえば彼氏とのデートでそこの遊園地に行ったと自慢している女友達がいたけど、そんな大人が楽しめるような遊園地になんかいった事がなかった。当然、ネヴァー・ドリームランドに行った事は無かった。
「あーあ! 彼氏なし人生まっしぐらで、お一人様人生! 本当にわたしの人生お先真っ暗だわ!」
沙羅は半ば開き直っていたが、心は深く沈んだままだった。
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