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第二章:ひとりといっぴきから二人の旅立ち
031.タクヤの不思議な前世の夢
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俺はまたしても夢の中で奇妙な体験をしていた。そういえば永川亜佐美とデートした時の夢と同じように、妙に現実味があった。
なぜか俺は飛行士の格好をしていた。しかも俺が乗っていたのはレシプロ(プロペラ)戦闘機だった。どうも夢の中では俺は戦闘機乗りのようだった。
着陸すると俺は何故か胸ポケットから写真を二枚取り出した、一枚目は家族写真でもう一枚は可憐な少女の写真だった。一枚目は理解できたが二枚目は女優か誰かか? しかも二枚とも白黒だった。
なぜ戦闘機に乗っているのか判らなかったが、飛行機の横に立っている建物は木造だった。これって時代はいつなんだ、どこなんだと思っていた。
すると前から軍服を着た男がやっていた。すると感情が高ぶったような感じで言い始めた。
「おい、お前。広島に新型爆弾が落とされたらしい。心配かもしれないが、お前が出撃することには変わらないからな、死んで祖国に奉仕しろ!」
その言葉に、全てがわかった。俺は特攻隊員で明日出撃すること。そして広島出身で町には家族と婚約者がいたことを! 婚約者とは出征前に結婚するはずだったが、彼女が結核になったので事実上結婚が白紙になっていた。
でも無理を言って婚約していたので病気が治って戦争が終わったら結婚するつもりだった。
それなのに家族も彼女もいなくなってしまったというのか? それに新型爆弾って何だ?
俺はどうも前世の記憶を思い出していたのかもしれない。それにしても、これは偽記憶? そう思ったけど、戦争映画が嫌いだったので想像すら出来ない世界だった。
俺は遺書を書いたが、守るべき人が居なくなったかもしれないのに、書く意味があるのか? そんな疑問があったが、周囲の雰囲気の中では抗する事などできなかった。
その後、飛びだって行ったが人生が走馬灯のように掻けめくっていった。その時、名前が思い出せないが結核に冒された婚約者の事を思い出していた。いつまで命の灯火が続くのか判らない状態だったとはいえ、もしかするともうこの世にいないかもしれなかった・・・
「俺ももうすぐ傍に行く! そう言うのが物語の定番なのかもしれないが、本当に向こうの世界で待っていてくれているのだろうか、わからない。
しかも、これからいくのは地獄かもしれない。もし、そうなら彼女に会うことがないだろう」
そう思ったが、おかしいと感じていた。そもそも無神論者で来世など信じないのになんて馬鹿な事をいっているんだ? そうしているうちに目的の空域に到達した。
眼下に敵機動部隊が見えてきた。最期はそこに特攻せよというのが命令だ。しかし考えてみれば愚かな行為であった。しかし誰も反論を許されないのだから仕方なかった。死、というのは誰にでも訪れるものだし、居間であっても仕方なかった。
納得しようとしたけど、やはり納得できない事があった。いったい何の意味があるのだろうか、これは。
その時、敵が放った対空砲火に乗っていた戦闘機が被弾した! これでは敵艦に突っ込むことは出来そうになかった。俺に最期の時がきたようだ。そう思ったときに魂だけが抜かれ遠いところに連れさらわれてしまったようだった。
なぜか俺は飛行士の格好をしていた。しかも俺が乗っていたのはレシプロ(プロペラ)戦闘機だった。どうも夢の中では俺は戦闘機乗りのようだった。
着陸すると俺は何故か胸ポケットから写真を二枚取り出した、一枚目は家族写真でもう一枚は可憐な少女の写真だった。一枚目は理解できたが二枚目は女優か誰かか? しかも二枚とも白黒だった。
なぜ戦闘機に乗っているのか判らなかったが、飛行機の横に立っている建物は木造だった。これって時代はいつなんだ、どこなんだと思っていた。
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「おい、お前。広島に新型爆弾が落とされたらしい。心配かもしれないが、お前が出撃することには変わらないからな、死んで祖国に奉仕しろ!」
その言葉に、全てがわかった。俺は特攻隊員で明日出撃すること。そして広島出身で町には家族と婚約者がいたことを! 婚約者とは出征前に結婚するはずだったが、彼女が結核になったので事実上結婚が白紙になっていた。
でも無理を言って婚約していたので病気が治って戦争が終わったら結婚するつもりだった。
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俺はどうも前世の記憶を思い出していたのかもしれない。それにしても、これは偽記憶? そう思ったけど、戦争映画が嫌いだったので想像すら出来ない世界だった。
俺は遺書を書いたが、守るべき人が居なくなったかもしれないのに、書く意味があるのか? そんな疑問があったが、周囲の雰囲気の中では抗する事などできなかった。
その後、飛びだって行ったが人生が走馬灯のように掻けめくっていった。その時、名前が思い出せないが結核に冒された婚約者の事を思い出していた。いつまで命の灯火が続くのか判らない状態だったとはいえ、もしかするともうこの世にいないかもしれなかった・・・
「俺ももうすぐ傍に行く! そう言うのが物語の定番なのかもしれないが、本当に向こうの世界で待っていてくれているのだろうか、わからない。
しかも、これからいくのは地獄かもしれない。もし、そうなら彼女に会うことがないだろう」
そう思ったが、おかしいと感じていた。そもそも無神論者で来世など信じないのになんて馬鹿な事をいっているんだ? そうしているうちに目的の空域に到達した。
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その時、敵が放った対空砲火に乗っていた戦闘機が被弾した! これでは敵艦に突っ込むことは出来そうになかった。俺に最期の時がきたようだ。そう思ったときに魂だけが抜かれ遠いところに連れさらわれてしまったようだった。
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