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第肆章:魔導士見習いとしてやることは?
092.カイムの剣
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気を取り直して一行は住民登録のためにハバス市政府庁舎がある中心部に向かったが、ストリートには様々な行商人が並んでいて、様々な魔道士の装備品のほか、変わった食材、骨董品も販売されていた。
そんな行商人のうちアサミは衣服を扱う行商人の前でシバシバ立ち止まっていた。それをヴァリさんが何度もたしなめていた。
「女の子だから服に興味があるのはわかるけど、早く手続きをしましょう。それに今は服を買っている間はありませんし、それにお金も足らないかもしれませんよ。とりあえず魔道士見習いは薄給ですから、余計なものは買われない方がいいですよ」
そういわれアサミは仕方なく従った。そのとき友人の美保子や妹の奈緒美の事を思い出した。そういえば私って服を滅多に買わないのになぜが服を見て回ったので二人が迷惑していた事を。どうも、見るのが楽しくてそうしたのかもしれなかった。そう思っていたとき頭の中でキュリットロスの声が聞こえてきた。
キュリットロスはアサミの尻尾のリボンに憑依しているような状態であったが、時たま意識が戻ったかのように話しかけることがあった。もちろん「キュリットロスの胴衣」をアサミが着用すればずっと会話(テレパシーみたいなものなので他人には聞こえないけど)できるのであるが。
「アサミ、あそこの古い樽が置かれている骨董屋があるでしょ。その奥にある青い皮袋を開けて御覧なさい。さあ、急いで!」
いわれるままにアサミはその骨董屋に直ぐ入っていわれるままにその皮袋を見つけた。その皮袋は物凄い埃が被っていて、おもわずアサミは咳こんでしまったが、そこには古い剣があった。
「アサミどうしたんだよ。いきなり走り出すんだから。いったい何が起きたんだよ、いままで骨董品なんかに興味を示さなかったというのに」
タクヤはヴァリと追いかけてきたが、二人とも何が起きたのかと驚いていた。しかし、ヴァリがその皮袋の中身を見たところ、もっと驚いていた。
「それって随行騎士のカイムが使っていた剣じゃないのか? たしか五百年前に行方不明になっていたはずだが?」
「そのカイムが使っていた剣ってなんなんですか? それに何か聞いた事あるし・・・それにしてもアサミどうしてそんなものを見つけることができたのかよ」
「キュリットロスさんの声、私が持っている胴衣の意思というのかな、それに導かれたのよ・・・」
すると、アサミの心の中に再びキュリットロスの声が聞こえてきた。
「その剣は、わたしの相棒だったカイムが使っていたものよ。一種の魔道術を使えるものよ。そこのタクヤが持てばきっと彼にもあなたにも役に立つわよ。それにしてもシフォンヌと前に此処の前を通った時には気が付かなかったのになんであるのよ、彼の剣は!」
その声はなんか懐かしい者に再会したかのような感慨深い感じ感情がこもっていた。もっとも、その声が聞こえるのはアサミだけなので周囲にいたものはキョトンとしていた。
「いったい、なんなんだね。そんな未整理品のガラクタから何を取り出したというのかね?」
店の奥から骨董屋の主人のような者が出てきたが、その主人は全身毛むくじゃらで愛嬌のある顔をしていた。アサミとタクヤは思わず噴出してしまった。
「あなた、ご主人ですか?」
「ああ、そうだ。でもなぜ笑っているんだよ」
アサミとタクヤには店の主人が信楽焼のタヌキの置物のように見えていた。そう擬人化したタヌキにしか見えなかった・・・
そんな行商人のうちアサミは衣服を扱う行商人の前でシバシバ立ち止まっていた。それをヴァリさんが何度もたしなめていた。
「女の子だから服に興味があるのはわかるけど、早く手続きをしましょう。それに今は服を買っている間はありませんし、それにお金も足らないかもしれませんよ。とりあえず魔道士見習いは薄給ですから、余計なものは買われない方がいいですよ」
そういわれアサミは仕方なく従った。そのとき友人の美保子や妹の奈緒美の事を思い出した。そういえば私って服を滅多に買わないのになぜが服を見て回ったので二人が迷惑していた事を。どうも、見るのが楽しくてそうしたのかもしれなかった。そう思っていたとき頭の中でキュリットロスの声が聞こえてきた。
キュリットロスはアサミの尻尾のリボンに憑依しているような状態であったが、時たま意識が戻ったかのように話しかけることがあった。もちろん「キュリットロスの胴衣」をアサミが着用すればずっと会話(テレパシーみたいなものなので他人には聞こえないけど)できるのであるが。
「アサミ、あそこの古い樽が置かれている骨董屋があるでしょ。その奥にある青い皮袋を開けて御覧なさい。さあ、急いで!」
いわれるままにアサミはその骨董屋に直ぐ入っていわれるままにその皮袋を見つけた。その皮袋は物凄い埃が被っていて、おもわずアサミは咳こんでしまったが、そこには古い剣があった。
「アサミどうしたんだよ。いきなり走り出すんだから。いったい何が起きたんだよ、いままで骨董品なんかに興味を示さなかったというのに」
タクヤはヴァリと追いかけてきたが、二人とも何が起きたのかと驚いていた。しかし、ヴァリがその皮袋の中身を見たところ、もっと驚いていた。
「それって随行騎士のカイムが使っていた剣じゃないのか? たしか五百年前に行方不明になっていたはずだが?」
「そのカイムが使っていた剣ってなんなんですか? それに何か聞いた事あるし・・・それにしてもアサミどうしてそんなものを見つけることができたのかよ」
「キュリットロスさんの声、私が持っている胴衣の意思というのかな、それに導かれたのよ・・・」
すると、アサミの心の中に再びキュリットロスの声が聞こえてきた。
「その剣は、わたしの相棒だったカイムが使っていたものよ。一種の魔道術を使えるものよ。そこのタクヤが持てばきっと彼にもあなたにも役に立つわよ。それにしてもシフォンヌと前に此処の前を通った時には気が付かなかったのになんであるのよ、彼の剣は!」
その声はなんか懐かしい者に再会したかのような感慨深い感じ感情がこもっていた。もっとも、その声が聞こえるのはアサミだけなので周囲にいたものはキョトンとしていた。
「いったい、なんなんだね。そんな未整理品のガラクタから何を取り出したというのかね?」
店の奥から骨董屋の主人のような者が出てきたが、その主人は全身毛むくじゃらで愛嬌のある顔をしていた。アサミとタクヤは思わず噴出してしまった。
「あなた、ご主人ですか?」
「ああ、そうだ。でもなぜ笑っているんだよ」
アサミとタクヤには店の主人が信楽焼のタヌキの置物のように見えていた。そう擬人化したタヌキにしか見えなかった・・・
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