機械娘の機ぐるみを着せないで!

ジャン・幸田

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第一章・ブラウ誕生

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 ガーディアンガールズの時代設定は2036年であった。昭和時代の作品だったので共産主義圏と自由主義圏との東西陣営による国際対立を反映したエピソードもあったほか、2020年代の現代からみると科学分野などの未来予想が間違っていたり逆に遅れてしまっている設定もあった。特にインターネットなどの通信機器は、アニメ設定をした担当者が疎かったためか、おかしな点もあった。

 そんな作品であるが、作品世界よりも早く高畠工務店が実現したのがGGスーツとよばれるパワードスーツだった。なぜ、それを開発できたかについては、その時はまだ内緒であった。

 ブラウとヴァイスを待っていたのは、中年の数人の男女だった。真希は見覚えがあった、全員がガーディアンガールズのファンで両親の同志たちだ。真希は興味ないのでいつも見てみるふりをしていたが、まさか自分がブラウの強化服を着て会う事になるなんて・・・嫌でしかなかった。

 「高畠さん、本当に製造したのですか? まるで目の前にヴァイスとブラウがいるみたいですよ! それにしても、大丈夫なのですか? へたばったりしないですよね」

 「それは大丈夫です! いろいろやりましたが、生体維持装置も機能していますし、あとはパワーアップユニットのアップグレードをすれば、そのうち三階ぐらいまでの高さへの跳躍も出来るようになります。それにしても、実際の人間にジャストフィットする強化服の開発は大変でした。いろいろと協力してもらってから・・・」

 ブラウのスーツに覆われた真希にとってどうでもいい話が目の前で行われていたが、早く脱ぎたかった。でも、いわれるどおりに快適だった。それに力もみなぎっていた。それにしても、今日の目的は一体何だろうと思っていると、父が指示したのは・・・本当にただの撮影会だった!

 ヴァイスもブラウも色々なポーズをさせられたりした。魔改造のGG専用バイクにまたがってみたり、模擬的な戦闘シーンをさせられたりした。そんなことを二時間やったあとで、父はドンでもない事をいった。

 「一か月以内にメンバー五人を集めて撮影したいなあ」

 真希は嫌だと思ったが、それで本当に仲間が出来るとはその時思っていなかった。
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