【教えて】聖杯を探しています【ください】

一樹

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最後の謎が示す場所

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翌日。
正直なことを言ってしまえば、殺し合いをしてる人達からの襲撃があるかなと思っていた。
けれど、それは杞憂に終わった。

「ここに私たちがいるって、わからないようにしたからね」

とは、ミカリの言葉だ。
魔法でなんとかしたらしい。

「さて、それじゃ謎解きの続きと行こうか」

オルが、地図と最後の謎が書かれた紙を見ながら言った。

「話を整理するとだ、その【フジ】という山、あるいは地名を探せばいいわけだ」

ここで僕が、考察厨さん達の考えを伝える。

「考察厨さん達曰く、昨日も言いましたが。
これまでの謎から考えると、勇者が名付けた場所が候補地になるだろうということです」

ウェイチが口を開いた。

「でも、そんなところそれこそ山のようにあるだろ。
中には地名が変わったところもあるだろ」

ミカリも難しそうにしている。

「何しろ千年だもんね」

しかし、僕は口を挟んだ。

「勇者が付けた地名は、訛りこそすれ変わったところはないですよ。
あ、これは全く別の名前になったことはないと言う意味です。
なんか、そう決められてるみたいですよ」

オルが僕を見た。
目を丸くしている。

「そうなのか?」

「法律とかはよく分からないんですけど。
そう決められてるんですよ。
勇者が名付けたとされる場所の改名は、どんな理由があれ認められないんです」

そこで、僕を除いた三人が再度地図に視線を落とす。
そこに、ウェイチとミカリが候補地に印を付けていく。

「第三の謎、問題文に山と入ってるなら、やっぱり山だろつな」

オルが考えながらそう言った。
しかし、勇者が名付けた山だけでもそれなりの数がある。
それでも、国内の二十に絞れた。

「この中のどれか、なんだろうな」

オルが呟く横で、僕は改めて掲示板を立てた。
既に、書き込めなくなっていたからだ。
僕は新しく立てた掲示板に、最後の謎が示す候補地を全て書き込んだ。
すると、すぐにいくつか質問が書き込まれた。
それに僕が答えた後、考察厨さんが確信を持って、候補地の一つを書き込んでくれた。

そこは、とてもよく知っている場所だった。

「……イモータル山??」

僕はつい呟いてしまった。
オル達が僕を見る。

「それって、あの山??
遠足のド定番の、あの山??」

ミカリが確認してくる。
僕は頷いた。
ウェイチは、地図を睨んだ。

「紫の花があちこちに植わってて、結構見応えあるんだよな」

オルが、

「根拠は?」

念の為にといった感じで聞いてきた。
僕は、考察厨さんたちの書き込みを読み上げた。

「イモータル山の名前、イモータルは考察厨さん達の世界の言葉で、不死身の、不死の、という意味があるらしいです。
そして、その紫色の花、ブシの花なんですけど」

これは掲示板に貼り付けられた、精巧な絵(考察厨さん達は画像と言っていた)付きで確認された。
それは、イモータル山に群生しているブシの花と、同じものだったからだ。
考察厨さん達の世界、いや国では【附子】、もしくは【トリカブト】と呼ばれる花らしい。
その花言葉は、前向きなものとネガティブなものとあるらしい。
騎士道、栄光、厭世的、人間嫌い、敵意、あなたは私に死を与えた、復讐。
さらに、この附子は別の読み方でブシとも読めるらしく、そこからフジの語源になったという話もあるのだとか。
考察厨さんは、こじつけかもしれないと念押ししている。
僕はこれらを、オル達に説明した。
そして、

「三個目の謎、問題文の中にある、
【天に近く、不死の薬を燃やした山に登れば、道が開かれる】
これは、考察厨さん達の世界にある昔話に登場し、現在でも存在する【富士山】のことらしいというのは、話しましたよね。
ではなぜ、考察厨さん達がすぐそのことに思い至ったのかというと、不死の薬の部分があったからなんです。
昔話――かぐや姫という話です――のラストで、不死の薬が登場するんですが、それを天に一番近い山で燃やした、とあるらしいんです。
不死の薬を燃やした山だから、富士山という名前になったとか。
不死、という言葉に絡め、名付けされた場所は候補地の中だと【イモータル山】しかないんです」

「なるほど。
まぁ、行ってみればわかるだろ」

道が開かれる、とあるからそういうことなのだろう。
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