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幕間 迫るシャーロット包囲網
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「な ん で ! !」
ヒステリックな叫びが【アヴィルスガイヤ】の城下町に轟いた。
道行く他のプレイヤーが、驚き、チラチラとそちらを見ながら通り過ぎていく。
「みつからないの?!
おかしいでしょ?!」
叫びの主はエトルリヤである。
イライラと地面を蹴っている。
「まぁ、落ち着けってエトルリヤ」
それを、どうどうと諌めているのはロロピカルである。
二人は新人プレイヤーのシャーロットを探していた。
しかし、先週のイベントから全くログインしていないのか、情報がまるで集まらなかった。
どのサーバーにもいないようなのである。
「リアルが忙しいのかもしれないぞ?
ほら、俺たちと違って社会人ならログインするのも回数が減るだろうし」
「でも、休日の土曜と日曜にはログインしてるって言ったのはロロピカルでしょ」
「そうだけどさ」
「そもそも、ゲーム始めたばかりの新人があんな隠し武器持ってるのはおかしいでしょ。
絶対ほかのゲームのランカーか、熟れたプレイヤーに決まってる。
そして、そういうプレイヤーは高確率で廃プレイヤーって決まってるの!」
「偏見が過ぎると思うけどなぁ」
ロロピカルの考えでは、シャーロットは確実に初心者のはずだ。
「でも、今日は日曜日だし。
ログインしてる確率は高いと思うけど」
言いつつ、ロロピカルは周囲を見回した。
新規プレイヤーの拠点となる城下町には、日曜日ということもありいつもより賑やかだ。
新規プレイヤー達は、トップファイブのうち二人がいることに目を丸くしている。
大半は、
『なんでトップファイブの二人がこんなとこに?』
という奇異の視線を向けている。
トップファイブ、トッププレイヤーに限らず、ハイランクのプレイヤーは最新エリアでレベリングしているのが常だからだ。
ヒソヒソ、新規プレイヤー達は会話を交わす。
「もしかして、クラン対抗戦が近いからメンバー探しに来たとか?」
「あー、ありえる」
「でも、それなら掲示板に募集スレ立てれば良くね?」
「たしかに、そうだよね」
そんな会話がなされる中、とあるプレイヤーが言った。
「あ、あのプレイヤー探してるんじゃない?」
「あのプレイヤー??」
「ほら、この前の大会でハイランクのプレイヤーがいる金のフィールドで優勝した」
「あぁ、あのプレイヤーか」
新規プレイヤー達は、とあるプレイヤーのアバターを思い出す。
あのイベントに参加こそしていなかった者も多いが、その代わりライブ配信を見ていた者がそれなりにいるのである。
だから、【あのプレイヤー】と聞いて新規プレイヤー達の頭に浮かぶのは決まっていた。
「シャーロットな」
「そうそう、そんな名前だった」
「でも、あのイベント以降、姿を見た奴いないんだろ?」
「噂じゃ社会人かもって言われてるよ」
そんな言葉が飛び交う中、こんな事を言う者がいた。
「社会人じゃなくて学生らしいよ、なんか隠しクエスト見つけてこの前クリアしてたし」
意外とその言葉は周囲に聞こえていたらしい。
シャーロットに興味があり、噂する者達が一斉にそのプレイヤーを見た。
そのプレイヤーは、鈍感なのか天然なのかその視線に気づかず続ける。
「クエスト報酬で、さらにレア武器の大鎌手に入れてた」
「は?」
「え、なんでそんなこと知ってるの??」
「なんでって」
そのプレイヤーが言葉を続けようとした時、ロロピカルとエトルリヤがやって来て、声をかけた。
「ちょっと、その話、もう少し聞かせてくれないか?」
「詳しく教えてほしいなぁ、その話」
声をかけてきたトップファイブ達の凄みに、そのプレイヤーは顔を真っ青にしたのだった。
「え、えっと?
なにか御用で?」
それでも、戸惑いの方が勝ったのかそのプレイヤーはそう訊ねた。
「シャーロットのこと、なんで知ってるのかな?」
「な、なんでって、掲示板で実況してるから」
言ってしまった後に、このプレイヤーはしまったと思ったが後の祭りであった。
この後、根掘り葉掘りシャーロットに関する情報を吐かされたのである。
その一部始終を、少し離れた場所から見ているプレイヤーがいた。
ツインテールの幼女アバターである。
プレイヤー名は【ウォーレン】。
掲示板では、コテハン――【底辺ガンター】として知れ渡っているプレイヤーだ。
ウォーレンは、トップファイブの二人と一般プレイヤーのやりとりを見ながら、
「あ~りゃりゃ」
そう楽しく、渋いオッサン声で呟いた。
ヒステリックな叫びが【アヴィルスガイヤ】の城下町に轟いた。
道行く他のプレイヤーが、驚き、チラチラとそちらを見ながら通り過ぎていく。
「みつからないの?!
おかしいでしょ?!」
叫びの主はエトルリヤである。
イライラと地面を蹴っている。
「まぁ、落ち着けってエトルリヤ」
それを、どうどうと諌めているのはロロピカルである。
二人は新人プレイヤーのシャーロットを探していた。
しかし、先週のイベントから全くログインしていないのか、情報がまるで集まらなかった。
どのサーバーにもいないようなのである。
「リアルが忙しいのかもしれないぞ?
ほら、俺たちと違って社会人ならログインするのも回数が減るだろうし」
「でも、休日の土曜と日曜にはログインしてるって言ったのはロロピカルでしょ」
「そうだけどさ」
「そもそも、ゲーム始めたばかりの新人があんな隠し武器持ってるのはおかしいでしょ。
絶対ほかのゲームのランカーか、熟れたプレイヤーに決まってる。
そして、そういうプレイヤーは高確率で廃プレイヤーって決まってるの!」
「偏見が過ぎると思うけどなぁ」
ロロピカルの考えでは、シャーロットは確実に初心者のはずだ。
「でも、今日は日曜日だし。
ログインしてる確率は高いと思うけど」
言いつつ、ロロピカルは周囲を見回した。
新規プレイヤーの拠点となる城下町には、日曜日ということもありいつもより賑やかだ。
新規プレイヤー達は、トップファイブのうち二人がいることに目を丸くしている。
大半は、
『なんでトップファイブの二人がこんなとこに?』
という奇異の視線を向けている。
トップファイブ、トッププレイヤーに限らず、ハイランクのプレイヤーは最新エリアでレベリングしているのが常だからだ。
ヒソヒソ、新規プレイヤー達は会話を交わす。
「もしかして、クラン対抗戦が近いからメンバー探しに来たとか?」
「あー、ありえる」
「でも、それなら掲示板に募集スレ立てれば良くね?」
「たしかに、そうだよね」
そんな会話がなされる中、とあるプレイヤーが言った。
「あ、あのプレイヤー探してるんじゃない?」
「あのプレイヤー??」
「ほら、この前の大会でハイランクのプレイヤーがいる金のフィールドで優勝した」
「あぁ、あのプレイヤーか」
新規プレイヤー達は、とあるプレイヤーのアバターを思い出す。
あのイベントに参加こそしていなかった者も多いが、その代わりライブ配信を見ていた者がそれなりにいるのである。
だから、【あのプレイヤー】と聞いて新規プレイヤー達の頭に浮かぶのは決まっていた。
「シャーロットな」
「そうそう、そんな名前だった」
「でも、あのイベント以降、姿を見た奴いないんだろ?」
「噂じゃ社会人かもって言われてるよ」
そんな言葉が飛び交う中、こんな事を言う者がいた。
「社会人じゃなくて学生らしいよ、なんか隠しクエスト見つけてこの前クリアしてたし」
意外とその言葉は周囲に聞こえていたらしい。
シャーロットに興味があり、噂する者達が一斉にそのプレイヤーを見た。
そのプレイヤーは、鈍感なのか天然なのかその視線に気づかず続ける。
「クエスト報酬で、さらにレア武器の大鎌手に入れてた」
「は?」
「え、なんでそんなこと知ってるの??」
「なんでって」
そのプレイヤーが言葉を続けようとした時、ロロピカルとエトルリヤがやって来て、声をかけた。
「ちょっと、その話、もう少し聞かせてくれないか?」
「詳しく教えてほしいなぁ、その話」
声をかけてきたトップファイブ達の凄みに、そのプレイヤーは顔を真っ青にしたのだった。
「え、えっと?
なにか御用で?」
それでも、戸惑いの方が勝ったのかそのプレイヤーはそう訊ねた。
「シャーロットのこと、なんで知ってるのかな?」
「な、なんでって、掲示板で実況してるから」
言ってしまった後に、このプレイヤーはしまったと思ったが後の祭りであった。
この後、根掘り葉掘りシャーロットに関する情報を吐かされたのである。
その一部始終を、少し離れた場所から見ているプレイヤーがいた。
ツインテールの幼女アバターである。
プレイヤー名は【ウォーレン】。
掲示板では、コテハン――【底辺ガンター】として知れ渡っているプレイヤーだ。
ウォーレンは、トップファイブの二人と一般プレイヤーのやりとりを見ながら、
「あ~りゃりゃ」
そう楽しく、渋いオッサン声で呟いた。
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