16 / 24
復讐遊戯 3
しおりを挟む
女性の言葉に、その場の全員が呆けてしまう。
「なにを言ってるの!?」
アクアは叫んだ。
冗談じゃない、と叫んだ。
ここで乱交をしろなど、ふざけるのも大概にしてほしい。
『そのままの意味です。拒否されますか?
そうしますと全員脱落となりますが、よろしいでしょうか?』
血相を変えたのはずっと黙ったままだったロックである。
「やります!!」
アクアに負けないくらいの声で叫んだかと思うと、彼は彼女に突進した。
そして、床に押し倒すと馬乗りになった。
「質問。全員一斉にやれということか?
それとも――」
『順番、プレイのやり方は参加者様に任せます。
ただ、アクア様をその場の全員で犯してください。
そう、かつて、貴方方が一人の少女にしたように』
そこで、灯りが消えたかと思うと、映像が食堂の壁に映し出された。
それは、あの日の光景だった。
声が言った、とある少女を犯した時の光景だ。
脅しも兼ねて、映像に残していたのだ。音は無かった。
アクアをまたイジメたらこの映像を、ネットで全世界に流す、と脅しをかけたのだ。
「お前、あの女の関係者か!?」
ギルが叫ぶ。
『やっと気付きましたか。お馬鹿はこれだから』
「なんでだ!?慰謝料は払っただろ!!
どうして、こんなこと」
ジークも納得がいかない、と叫ぶ
『わかりませんか?』
女性の声は、不気味なほど淡々としていた。
「わかるわけ無いじゃない!!」
アクアが金切り声をあげた。
『本当に、わかりませんか?』
「しかえし?」
唯一、アクアを声の指示通り犯そうとしていたロックが正解を口にする。
『…………。
自分で起こした事は、いつかどこかで自分に同じように返ってくるものなんですよ。
お金で、解決できたと本当に思っていたのですか?』
「……そう、仕返しだ。彼女は死んだ。自殺した。
僕らは手を汚してない。でも、断罪した。彼女を正義の名の下に断罪した」
ぶつぶつと、ロックが虚ろな目をして呟き始める。
『そうですね。正義です。悪い事を正すのが正義なら、いま貴方が組み敷いているその女。
全ての元凶である、その悪女を断罪するために犯すのも正義だと思いませんか?』
「そう、正義だ。この女の言葉。それを全て受け入れたからこうなった。
僕がここにいるのは罪を購うため。誰かの正義のため」
「いや、いやよ。こんなことやめて」
アクアがこれから行われるだろう事の恐怖で、歯をカチカチ鳴らしながら抵抗しようとした時。
映像に、音が付いた。
『いやぁぁああああ。やめて、いや、いや!!!』
『はは、悪女が。いやらしい体しやがって。ほら、もっと俺達を楽しませろよ?』
『ひぅっ。ちが、わたしはわるくな』
『だれもあなたの言葉なんてしんじない。
あなたは悪、なんですよ?』
『おら、ちゃんと足開けよ』
『いや。やめて、おねが』
『そう言って抵抗したアクアを虐めたのは誰だ?』
『わたし、そんなことしてない!』
『あぁ、はいはい。嘘がお上手で』
少女が性的暴行を受ける生々しい音声が流れる。
「違う。私はこんなこと頼んで無い!!
この男達が勝手にやったことじゃない!!」
アクアの訴えに、女性の笑い声が響く。
ひとしきり笑い終えると、女性は告げた。
『そうですね。たしかにそうです。私はいま貴方方に指示を出しました。
アクア様を犯すよう、アクア様が犯されるよう指示を出しました。
しかし、選択権はあるんですよ?
私の指示に従うか否か、選べるんです。
選択という自由を与えてるんです。どちらを選ぶかは貴方方の勝手なんです。
選んだ上で指示に従わない、という詐欺を働く事もできますよ。
しかし、それは貴方方の勝手なんです』
女性の言葉が終わると同時に、ロックが彼女の服を切り裂いた。
乱暴にロックが彼女を、指示通りに犯そうとする。
その光景を、他の二人は見ている。
『あぁ、そうだ。アクア様。今ぐらいの抵抗だったら良いですが。
本気で逃げようとするのも有りです。その場合、やはり全員が命という対価を払うことになります』
「たすけて、たすけて。お願いよ。ジーク!!」
助けを求めてくる、かつて愛した女性。
その女性の体を乱暴に抱く友人。
その二人を交互に見て、ジークは考えた。
さきほどは助けるつもりだった。
ギルが彼女を傷つけないように、彼女が傷つけられないよう助けるつもりだった。
でも、今は――。
「ロック、どけ」
「ジーク!!助けて!!」
ジークの声に、アクアが希望に満ちた表情をする。
しかし、それはすぐに絶望に変わる。
「まずは、俺が犯る。お前は押さえつけてくれ。
ギル、さっきは止めて悪かった。ちょっとこの女を殴って黙らせてくれないか?」
「そんな」
嘘だ、とでも言いたそうなアクアの声に、女性が愉快そうに言った。
『男好きな貴女には御褒美ですよね?
たっぷりと幸福を味わってください』
「なにを言ってるの!?」
アクアは叫んだ。
冗談じゃない、と叫んだ。
ここで乱交をしろなど、ふざけるのも大概にしてほしい。
『そのままの意味です。拒否されますか?
そうしますと全員脱落となりますが、よろしいでしょうか?』
血相を変えたのはずっと黙ったままだったロックである。
「やります!!」
アクアに負けないくらいの声で叫んだかと思うと、彼は彼女に突進した。
そして、床に押し倒すと馬乗りになった。
「質問。全員一斉にやれということか?
それとも――」
『順番、プレイのやり方は参加者様に任せます。
ただ、アクア様をその場の全員で犯してください。
そう、かつて、貴方方が一人の少女にしたように』
そこで、灯りが消えたかと思うと、映像が食堂の壁に映し出された。
それは、あの日の光景だった。
声が言った、とある少女を犯した時の光景だ。
脅しも兼ねて、映像に残していたのだ。音は無かった。
アクアをまたイジメたらこの映像を、ネットで全世界に流す、と脅しをかけたのだ。
「お前、あの女の関係者か!?」
ギルが叫ぶ。
『やっと気付きましたか。お馬鹿はこれだから』
「なんでだ!?慰謝料は払っただろ!!
どうして、こんなこと」
ジークも納得がいかない、と叫ぶ
『わかりませんか?』
女性の声は、不気味なほど淡々としていた。
「わかるわけ無いじゃない!!」
アクアが金切り声をあげた。
『本当に、わかりませんか?』
「しかえし?」
唯一、アクアを声の指示通り犯そうとしていたロックが正解を口にする。
『…………。
自分で起こした事は、いつかどこかで自分に同じように返ってくるものなんですよ。
お金で、解決できたと本当に思っていたのですか?』
「……そう、仕返しだ。彼女は死んだ。自殺した。
僕らは手を汚してない。でも、断罪した。彼女を正義の名の下に断罪した」
ぶつぶつと、ロックが虚ろな目をして呟き始める。
『そうですね。正義です。悪い事を正すのが正義なら、いま貴方が組み敷いているその女。
全ての元凶である、その悪女を断罪するために犯すのも正義だと思いませんか?』
「そう、正義だ。この女の言葉。それを全て受け入れたからこうなった。
僕がここにいるのは罪を購うため。誰かの正義のため」
「いや、いやよ。こんなことやめて」
アクアがこれから行われるだろう事の恐怖で、歯をカチカチ鳴らしながら抵抗しようとした時。
映像に、音が付いた。
『いやぁぁああああ。やめて、いや、いや!!!』
『はは、悪女が。いやらしい体しやがって。ほら、もっと俺達を楽しませろよ?』
『ひぅっ。ちが、わたしはわるくな』
『だれもあなたの言葉なんてしんじない。
あなたは悪、なんですよ?』
『おら、ちゃんと足開けよ』
『いや。やめて、おねが』
『そう言って抵抗したアクアを虐めたのは誰だ?』
『わたし、そんなことしてない!』
『あぁ、はいはい。嘘がお上手で』
少女が性的暴行を受ける生々しい音声が流れる。
「違う。私はこんなこと頼んで無い!!
この男達が勝手にやったことじゃない!!」
アクアの訴えに、女性の笑い声が響く。
ひとしきり笑い終えると、女性は告げた。
『そうですね。たしかにそうです。私はいま貴方方に指示を出しました。
アクア様を犯すよう、アクア様が犯されるよう指示を出しました。
しかし、選択権はあるんですよ?
私の指示に従うか否か、選べるんです。
選択という自由を与えてるんです。どちらを選ぶかは貴方方の勝手なんです。
選んだ上で指示に従わない、という詐欺を働く事もできますよ。
しかし、それは貴方方の勝手なんです』
女性の言葉が終わると同時に、ロックが彼女の服を切り裂いた。
乱暴にロックが彼女を、指示通りに犯そうとする。
その光景を、他の二人は見ている。
『あぁ、そうだ。アクア様。今ぐらいの抵抗だったら良いですが。
本気で逃げようとするのも有りです。その場合、やはり全員が命という対価を払うことになります』
「たすけて、たすけて。お願いよ。ジーク!!」
助けを求めてくる、かつて愛した女性。
その女性の体を乱暴に抱く友人。
その二人を交互に見て、ジークは考えた。
さきほどは助けるつもりだった。
ギルが彼女を傷つけないように、彼女が傷つけられないよう助けるつもりだった。
でも、今は――。
「ロック、どけ」
「ジーク!!助けて!!」
ジークの声に、アクアが希望に満ちた表情をする。
しかし、それはすぐに絶望に変わる。
「まずは、俺が犯る。お前は押さえつけてくれ。
ギル、さっきは止めて悪かった。ちょっとこの女を殴って黙らせてくれないか?」
「そんな」
嘘だ、とでも言いたそうなアクアの声に、女性が愉快そうに言った。
『男好きな貴女には御褒美ですよね?
たっぷりと幸福を味わってください』
25
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
悪役令嬢の慟哭
浜柔
ファンタジー
前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。
だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。
※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。
※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。
「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。
「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
悪役令嬢はモブ化した
F.conoe
ファンタジー
乙女ゲーム? なにそれ食べ物? な悪役令嬢、普通にシナリオ負けして退場しました。
しかし貴族令嬢としてダメの烙印をおされた卒業パーティーで、彼女は本当の自分を取り戻す!
領地改革にいそしむ充実した日々のその裏で、乙女ゲームは着々と進行していくのである。
「……なんなのこれは。意味がわからないわ」
乙女ゲームのシナリオはこわい。
*注*誰にも前世の記憶はありません。
ざまぁが地味だと思っていましたが、オーバーキルだという意見もあるので、優しい結末を期待してる人は読まない方が良さげ。
性格悪いけど自覚がなくて自分を優しいと思っている乙女ゲームヒロインの心理描写と因果応報がメインテーマ(番外編で登場)なので、叩かれようがざまぁ改変して救う気はない。
作者の趣味100%でダンジョンが出ました。
なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる