学校飽きたんで墓に行くことにした

一樹

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 掲示板で募集した意見を参考に、自分は十四年間過ごしてきたこの地区をあちこちうろつきまわった。
 最初の路地裏から始まって、学校側、とくに担任に怪しまれない程度に週に一回から二回のペースで遊び回った。
 今のところ、一日サボったのは最初の路地裏だけで、それ以外は午後からとかにしていた。
 路地裏、畑、田んぼ、山、祠、そうそう、あの後、工事現場もオススメだという情報も貰ったので、そこにも行ってみた。
 流石に工事をしている場所は危ないので、機材置き場となっている場所を選んだ。
 それでも掲示板にいる人達からは、勝手に入るなよ、危ないだろという言葉を賜った。
 しかし、これが本当に誰も来ないのだ。
 せいぜい夕方近くになって、トラックやら会社の名前が入った乗用車の行き来があるくらいだった。
 朝イチで必要な機材を持ち出して行くからなのか、ほかに理由があるからかはわからない。
 でも、本当に工事を担当してる会社の人は全くと言っていいほど見なかった。
 そこに置いてあった土管の中に入り込んで、ピコピコとゲームをしているとあっという間に時間が過ぎて行った。
 そんな感じで、ランダムにあちこちで遊んでは時間を有意義に使っていた。
 変化があったとすれば、クラス内で自分が大変体が弱い人認定されたことくらいだ。
 逆に言えば、クラスメイトからの認識はその程度だった。
 
 そして、そんな学生らしいスローライフな日々を送っては、時折掲示板に報告っぽいことをしていた、ある日。
 とある人物から、こんな書き込みがあった。
 【ユルギン】というコテハン名での書き込みだった。
 ユルギンさん曰く、墓地がオススメだということだった。
 つまり、墓場だ。
 何でも、墓参りの季節以外は月命日とかでしか人は行かない上、その管理している教会側も別に毎日見回りがある訳でもないらしい。
 さらに言うなら、墓場という場所の性質上とにかく人が寄り付かないのだという。
 なるほどな、と自分はとにかく感心した。
 その発想は無かった。
 確かに、他の場所(山以外)と比べれば人が寄り付きにくい。
 しかも、静かだ。
 自分がノリノリでユルギンさんへ返信すると、他の人からその場所はさすがに気味が悪いから辞めておけという忠告が入った。
 ふむ、たしかに他の人からすれば気味が悪い場所なんだろう。
 誰かの遺体が埋まっていて、どこに誰が埋まっているのか、その目印として墓石が並んでいる場所。
 中には、アンデッドでも出たらどうするんだ、と本気で怒ってる人もいた。
 しかし、ユルギンさんはのらくらと受け答えする。
 曰く、

 『自分もサボって、そこで何日も時間潰したけどなんにも出なかった。
 そもそも、そんなホイホイ、アンデッドが安売りのごとく墓場に出てたら騒ぎになるだろ。
 まず普通に供養されてるし管理されてる場所なら出ない。
 それに、墓荒らしをするわけでもないから怒りを買うこともないだろ』

 ということだった。
 なるほど、先人がそうして何も出ない、いないことを証明しているなら、きっと大丈夫だろう。
 それに、なんにもない平日の昼間に墓に行くなんて、たしかに余程の理由が無ければ一般人はしないだろう。
 そもそも、自分はアンデッドはともかくとして幽霊なんてものを見た事がない。
 世の中には視える人というものが存在するらしいが、少なくとも自分は違う。

 まぁ、そんなこんなで自分の次の遊び場所は、山の中にある、それはそれは古い墓地に決まったのだった。
 ちなみに、うちの先祖代々の墓もあったりする場所だ。
 教会の管理下ではあるけれど、基本無人だ。
 墓参りの季節になると教会や、その親分たる神殿の方から人が派遣されてきて手入れされる程度の場所だ。
 たしかにピッタリだ。
 しかし、山の中にあるし学校からは少し離れてしまう。
 行くのは月一くらいになるかな、そう考えながら、今日のおやつにするべく給食に出てたコッペパンをこっそり持参したビニール袋にいれた。
 でも、一旦家に帰って虫除けスプレーとか道具を揃えてから行った方がいいかな。

 かくして、その日、自分は初めてサボるために真昼間から先祖が眠る墓地へと向かうことにしたのだった。
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