異世界の救世主になろう!~主役はやっぱり勇者だ~

☆ウパ☆

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本編

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よかった。ネロは聖剣の安全が確認されるとホッと胸をなで下ろした。しかし、なにやら聖剣の様子がおかしい。紫の電気をまとってるかのように放電が起きている。

「あれは...一体」

その時、背後の階段から音が聞こえてきた。

「(誰か来る?)」

とにかくここは隠れて不意打ちを狙おうと思った。聖剣を持ち出そうとする輩なら転移魔法を使う上級魔導師のはずである。主に魔法を使う魔導師に一人では相手が悪い、そう思ったのだろう。ネロは息を殺して待っていた。すると、出てきたのはネロと同じ歳であろう少年だった。

「ええ!?剣持った女の子でてきた!?」
「何者ですか、あなたは...」

◆◇◆

2016年8月

「だるっ」

独りきりの部屋で誰にも聞かれることはないと知ってて彼は口にした。窓もカーテンもすべて閉じ、日光を一切受け付けない部屋だった。室内温度はエアコンが聞いているが設定は28℃、26℃や27℃にすると彼は寒がる、よってこの温度が彼にとって快適なのだ。フィギュアの並ぶ棚、見たところすべて女性キャラ。ただ種類は多種多様である。

「おい、おいおいおいおい...あー...だるっ」

さっきからこれを繰り返している。PCを前に独り画面とずっとにらめっこしているのだ。彼がしているのは異世界型ファンタジーRPGゲーム。このゲームは言ってしまえば何でもありのゲームなのである。魔王を倒すことを目標に物語が始まる。そして、自分の部屋を作ったり、店を出したり、モンスターを操ったり等々。部屋から出るときはトイレか間食かどちらかである。彼の名は

「勇真ーマック買って来たけど食べる?」

彼は湊夜勇真(みなとやゆうま)。現代社会において最も必要とされていないいわゆるニート、とまではいかないがその一歩手前の人間だ。

「ごめん、腹減ってない」

さてと、と言わんばかりに伸びをして構えた、構えたと言っても普通のパソコンを打つ姿勢だ、だが何故か様になっている。
彼はUFOキャッチャーはそこそこ。シューティングゲームもそこそこ。ドライビングゲームとPCのゲームに関してはプロ、の一歩手前というまさにゲーマーという称がとても似合っている。そんな彼もこの間までは部活をしていた、それも運動部を、彼は部活ではまあまあの上手さといったところにいたが部員とのコミュニケーションがとれなく、辞めてしまったのだ。
ピロローン

「ん、メールだ」

そんな彼も友達がいない訳ではない。
しかし、

「んげっ...奴らか見てないフリを」
[今、家の前にいる]
「ホラーかよっ!!」

本人は好いていないのだ。理由は彼らと一緒にいると自分が目立たなくなるからだ。仕方なく出た、懇切丁寧に帰すために。

「ごめん、今ゲームやってて...」

そこには三人の男がいた

「おう!起きてたか!」

こっちの男は
髪が少々垂れていてアニメに例えるなら○京グールのト○カの様だ、顔立ちは良いスタイルも良い声も声優並みの素晴らしい声をしている。名前は神崎透(かんざきとおる)
通称「しん」

「まだ、昼なのに珍しいね」

こちらは一段とデカかった。特徴はなんと言ってもスキンヘッドである。そして、目、相手を完全に殺そうとする、イっちゃってる目をしていた。それに対して口調は優しく柔らかである。名前は、天井剛(あまいごう)
通称「てんちゃん」

「出掛けるよ」

こっちは、他の2人と比べると背が小さすぎる。2人の身長が180以上あるにしても170代の勇真とさえもこの言い表せない差だ、声も小さく、なんとかきくことができた。髪は長く、目の下まであった。名前は、菅野新夜(すがのあらや)
通称「すが」
彼らは、ここら辺りではかなり有名人、そう勇真を含め。彼らを見たここら一体の高校生達は口をそろえて彼らを「四天王」と呼んだ。
紹介していこう、
まずは、しんから彼はそのアマイマスクで何人もの女性を口説いてきた。気に入った女性がいれば直ぐに話かける、最初はいくらイケメンでも、少し疑う、そう皆疑う、そして堕とされる、そう皆堕とされる。一緒にいるのが恥ずかしい、4人で遊びに行ったはずが別れ際には最低7人になっているからだ。その様から彼は「男サキュバス」と言われている。ただ、可愛くない娘がいるとアレルギーがでて、上手く話せなくなるらしい。
次にてんちゃんだ、彼は2メートル近い巨体を持っていて良く運動部に駆り出される。結果普段練習している選手達よりいい結果を出し、表彰台に毎回上がる、いくつかの他校は打倒てんちゃんらしい。そして、見た目がアレなので良く絡まれるが全勝。買ったケンカは必ず勝っている。それからの名は「現代の武田信玄」。ただ、人が良過ぎるので道案内されたらおぶって連れて行くというまさにヒーロー。
続いて、すが彼は全国学力テストでいつも好成績だ、大体一桁に入っている。底辺を全力疾走の俺からしたら素直に凄いと思う。ホント凄い。彼の言うとおりにして間違ったことはない。ただ、彼は重度のコミュ障のため俺達にもあまり口を聞いてくれない。そのため彼の通り名は「熱暴走しないPC」と言われている。つまり、決して熱くならないクールビゥーティーということだ。
そして、俺。この3人は俺のことを「ユージン」と呼ぶ。勇真の読み方を変えるとユージンになるからだという。得意なのはゲームだ、中学の時全国大会で準優勝してから有名になった。と、まあこれが俺達が四天王と言われる由縁だ。

「何しに来たんだよ」
「でかけようぜ!」
「俺はユージンに迷惑だろうっていったんだけどな」
「僕行きたい」
「三人同時に話すな俺は聖徳太子じゃねーから。」
「行こうぜ早く」
「はぁ~わかった、着替えるから待ってろ」
「おう!」

全くと思いながら、なんでいつもOKをしてしまうんだと自分を叱咤する。しぶしぶ着替えようとしたその時だった。

「ん?あれ、身体が浮いてる」

ギャアアア
異変にいち早く気付いたのは家の中にいた勇真の母ではなく、透だった。

「ん?悲鳴?」
「?!どうした!?ユージン!!?」
「何かあった」
「おいおい、まじか?」
「待ってろ!ユージン!」

天井は玄関の扉を勢い良く開け階段を上って奥の勇真の部屋に飛び込んだ。

「なに?!なに?!これ?!」

玄関を勇真改めユージンの母が驚いた顔で覗く。

「おばさん!お邪魔します!」

急ぐ透達をみて口をポカンと開けていた。
部屋に入ると驚く光景があった。

「光に包まれてる!?」

透と天井が同時に叫んだ、練習したのかと聞きたい程息がピッタリだったが今の彼らにはそんな事で冗談を言い合っている場合ではなかった、理由は目の前にある。
ユージンの身体は紫の光に包まれ、身体が浮いていた。

「助けてぇぇええ!!」

透達3人は必死にしがみつくが掴んでいた自分たちまで身体が浮き始めた。そして、4人の上下に出現した上の魔法陣(?)の様なものに身体が吸い込まれていった。
あとからユージンの母がきたが4人の姿は見当たらなかった。
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