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「コーヒーに和菓子、かぁ!」
 青葉はいつも私をびっくりさせてくれるね、と芳樹はご機嫌だった。
「どこで買ったのかな。百貨店の『奈々丘堂』?」
「いいえ、アーケードの『みのや』です」
 聞かない名だな、と言いながらも、芳樹は薯蕷饅頭をぱくりと食べて目を円くした。
「美味い……!」
「でしょう!?」
「コーヒーにも、よく合うよ。これは掘り出し物を見つけたな、青葉」
 嬉しそうな芳樹を見ると、青葉も自然と笑顔になる。
 二人で美味い、美味しいとぱくつき、たちまちお菓子は無くなってしまった。
「店内で、お抹茶といただけるスペースもあるんです。今度、御一緒しましょう」
「そうだな。最近、青葉とお出かけしてないしなぁ」
 ソファに背を預け、芳樹は頭の後ろで手を組んだ。
「お忙しいんですか、お仕事」
「私がやることでもない、のかもしれないんだけどね」
 だけど、思い入れがあって人に任せられないことが一件ある、と芳樹は言う。
「そうだ、青葉の知恵を借りよう」
「僕、ですか?」
 うん、とうなずき、芳樹は語り始めた。

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