私は君の夢を見る ~実業家アルファ×薄幸オメガ 私は君を、幸せにしたい~

大波小波

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 一週間後、一志は希を二回目のデートに誘った。
 今日は寿司をご馳走するよ、と言っていたが、連れて来られた店に希は驚いた。
「こんな本格的な、お寿司屋さんだったなんて」
「回らない寿司、だよ」
 寿司をつまみながら、希は宝くじについて一志に提案した。
「あのくじは、一志さんが購入したことにして、換金した方がいいと思います」
「どうして?」
「僕がくじに当たったことが兄に知れると、きっと面倒なことになりますから」
 ああ、まただ。
 こんなに素敵な希くんなのに、どうしてその兄は厄介なんだ?

「最悪、一志さんへお金を渡せなくなってしまいます」
「それは困るな」
 希はくじの購入店の情報を伝え、一志が買った、ということにした。
「何から何まで、すまないね」
「いえ、当然のことです」
「どうして?」
「え? あの……僕たち、お付き合いしてますから」

 ふあっ、と一志は変な声を出すところだった。
 感情を必死で殺し、お茶とともに声を飲み下した。
 はぁ、と息をついて。
「嬉しいよ、希」
「希、って」
「馴れ馴れしいかな」
「いえ……僕も嬉しいです」
 一志は、舞い上がった。
 この可愛い素敵な子は、私の恋人なんですよ!
 そう、全世界に誇りたかった。

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