この恋は運命

大波小波

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「お父様は、どちらへ?」

「私はしばらく隣室の、控えの間で過ごすよ。若者は、若者同士で歓談しなさい」
 
 そう言って、回廊を右に曲がってしまう父だ。

「やっぱり、変なお父様」

 小首を傾げつつ、麻衣は大広間のドアをくぐった。

 きらめくシャンデリアの連なる、まばゆい光の渦に飛び込んだかのようだ。

 奥ではジャズオーケストラが、小粋なナンバーを奏でている。

 その中に集う、人、人、人。

 誰もが美しく着飾り、大理石の床を埋めている。

 不審な父の様子も忘れ、麻衣は浮き立った。

 こんなに盛大なパーティーに出席するのは、久しぶりだ。

 しばらく人の間を縫い、その足を広間の中ほどまで進めてみた。

 そこで気づいたことは。

「何だか、若い人ばかりだなぁ」

 父の言葉が、思い出された。

『若者は、若者同士で歓談しなさい』

 若者ばかりのパーティー、ということは。

「もしかして、これは。マッチング・パーティー?」

 麻衣は、もう少し気を配って周囲を見てみた。

 二人組で、少し離れた場所で話し込んでいる人がいる。

 ジャズに乗って、スウィングを楽しむペアがいる。

 麻衣の思った通り、これは飛鳥家が開いた、若者向けの婚活パーティーだった。

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