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しおりを挟む麻衣はうなだれて、手にした端末をテーブルの上へ置いた。
岩倉の話では、響也はこの後にバスタイム、夕食、執務、そして……。
「本家の、お父様にお会いするんだって」
毛布の下で、ぬくぬくと眠る猫に、麻衣はつぶやいた。
おそらく、海外出張の報告と成果について、遅くまで面談をなさる。
そう、執事は語っていた。
「ちょっぴりでいいから。お顔だけでも、見たかったな」
眠る猫の柔らかな毛皮を撫でていると、岩倉が迎えに来てくれた。
夕食の準備が、整ったのだ。
彼に連れられ、麻衣はリビングを後にした。
猫が少しだけ気になったが、よく眠っているので、そのままにしておいた。
(寝室へ行く前に、もう一度様子を見に来よう)
もし、いなくなっていたら。
(寂しいだろうな)
猫しか寄る辺のない、今の麻衣だった。
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