金曜日の少年~「仕方ないよね。僕は、オメガなんだもの」虐げられた駿は、わがまま御曹司アルファの伊織に振り回されるうちに変わってゆく~

大波小波

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「立派だ、駿。そんな未来の展望を、もう見据えているなんて」
 伊織は思わず、ふわりと駿を抱きしめた。
「い、伊織さま。人が見てます……」
「見たい奴には、見させておくがいい」
 本当に。
 本当に君は、あの絵に描いた白い鳥のように、羽ばたいているのだな。
 風を切って。
 遠く。
 遠く。
 どこまでも遠く、飛んでいくのだな……。
「伊織さま」
 駿の腕も、おずおずと伊織の体に回された。
 雑踏の中にいる二人だが、彼らの周りだけ静寂に包まれていた。
 何も言わずに、護衛の人間が壁を作る。
 その中には、二人だけの静かな時間が流れていた。
 伊織は、駿に口づけた。
「好きだよ、駿。そんな君が、大好きだ」
「……」
 真っ赤になって、言葉を失った駿に、伊織は再び長い長いキスをした。


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