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一方、拓真の専属執事である三本木は、爽やかな朝の中イライラしていた。
「まったく! 拓真さまは、まだ翠莉さまの客室においでとは!」
寝坊をしているのか、それとも、まだイチャイチャしているのか。
「どちらにせよ、けしからん! 早く私から、お諫めしたいというのに!」
昨晩、琉果と翠莉とのやり取りの一部始終を目撃していた、使用人の加藤。
三本木が彼から聞き出したかったのは、ケンカの内容だけではない。
その時の、拓真の言動だ。
名家の御曹司である翠莉は、琉果より強い立場にある。
弱者側である琉果を、拓真はちゃんと守ってあげたのか。
そこが、三本木の焦点だった。
『聞くところによると、翠莉さまと琉果くんが大喧嘩をやらかしたとか?』
『そうなんですよ。あれは、翠莉さまが良くない! 人を見下すにも程がある!』
『拓真さまは、そのような翠莉さまを、ご注意なさいましたかな?』
『それがねぇ、聞いてくださいよ! 腕組みして突っ立って、ニヤニヤしてるんです!』
拓真の愚鈍な反応に、三本木は驚きと悲しみ、そして怒りを覚えていた。
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