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しおりを挟む水瀬の運転する車中で、拓真は琉果と初めて出会った日を思い出していた。
「あの時の君は、儚いほど痩せて細くて。私は思わず、手を差し伸べていたのだ」
「滅茶苦茶な生活してたからね、僕」
「髪も、パサパサだったし」
「栄養が、足りてなかったんだよね」
「色が白いと感じたが、今思えば貧血気味だったのだな」
「……もう! 拓真さん、さっきから僕のことディスってばっかり!」
いや違う、と拓真は慌てて両手を横に振った。
「これらは、前置きで! ここからが重要なのだ!」
「ヤだ。もう、聞きたくない」
「そう言わずに! それでも君の瞳は、深い琥珀色に輝いていた!」
そこで拓真は、少し赤くなりながら告白した。
「その瞳に、私は魅せられた。あれは……私の一目惚れで……」
「琉果くん、お屋敷のポーチが見えてきた! みんな、君に手を振っているよ!」
「水瀬さん、ホント!?」
琉果はナビシートに身を乗り出し、はしゃぎ始めてしまった。
行き場を失った、拓真の告白だ。
(水瀬! 君はなぜ、いつもそう来る!?)
車は緩やかにスピードを落とし、花菱邸へと到着した。
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