二つの顔を持つ二人 ~イケメン俳優×カフェの少年~ 彼の前でなら本当の自分を見せられる

大波小波

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「好きだ、郁実。愛してる」
「五条、さん……」
 見つめ合うと、互いの想いが手に取るように解った。
 俺は、郁実を愛してる。
 僕は、五条さんが大好き。

 ふと目を逸らし、郁実が小さな声で囁いた。
「リハビリの時の約束、覚えてますか?」

『後でご褒美をあげるぞ!』

「もちろん覚えてるよ」
「僕、ご褒美に欲しいものが……」
「解ってるさ」
 颯真の顔が、唇が、郁実に近づく。
「これからは、颯真、って呼んでくれ」
「颯真さん」
 静かに、ゆっくりと颯真は郁実にキスをした。
 
 温かい、キス。
 なぜだろう。
 僕は、このキスを知っている。
 唇を離した颯真は、郁実の目を覗き込みながら言った。
「君を、このままベッドまで運んでもいいかい?」
「はい」
 素直な返事は、郁実の中から自然に生まれていた。

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