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しおりを挟む「ここが、一般会員のお客様が利用する部屋だ」
「はい」
その部屋は、地上のクラブとあまり変わらない、小綺麗な部屋だった。
照明がやや暗いが、気にするほどではない。
高価なソファに、テーブル。
足の裏に心地よい、カーペット。
そして、冷蔵庫と、酒類の入ったチェストがあった。
「メニューは、これだ。印の付いていないものは、この部屋で用意できる。印付きのものは、先ほどの事務所隣のキッチンへオーダーし、取りに行く」
「はい」
「練習してみよう。ブランデーと、ショコラ」
「かしこまりました」
遥は、了に渡されたタブレットで、それらを検索した。
イメージ画像には印が付いていないので、この部屋で賄える。
遥はブランデーとショコラをタップしてオーダーを確定させた後、フリッジやチェストを探った。
準備したドリンク類をトレイに乗せ、了の前へと静かに置いた。
「お待たせいたしました」
「上々だ。では」
ソファの隣に掛けるように、了は促してきた。
「まずは、ブランデーに付き合ってもらおう」
「はい」
良い返事はしたものの、遥は不思議に感じた。
僕も飲むのかな?
でも、グラスは一つしかないし。
そんな純情なことを考えていると、突然了に唇を塞がれた。
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