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しおりを挟む地下3階。
ゴールド会員の一室で、了は遥を待っていた。
「遅いな」
おそらく、接待中なのだろう。
それが終われば、ここへ現れるに違いない。
待ったのはほんの10分ほどで、遥はやって来た。
「お待たせいたしました!」
二週間前と変わらない彼の姿に、了は安堵した。
やつれたり、逆に激太りしたりしていないかと、心配だったのだ。
しかし、そんな柔らかな心は奥深くに隠し、了は遥に命じた。
「ブランデーを、一杯。それから、ミネラルウォーター」
「かしこまりました」
てきぱきと準備を整え、遥がテーブルに戻ってくるのは早かった。
「慣れたようだな」
「おかげさまで」
ブランデーを一口飲み、了は違うと感じていた。
私は、こんなビジネスライクな会話を望んではいなかったはずだ。
「よかったら、飲むといい」
「ありがとうございます」
よく冷えたミネラルウォーターを遥に勧め、了は再び沈黙した。
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