月まで連れてって 恋に戸惑う闇クラブオーナー・アルファ×弟の為に身を売る健気・オメガ ~上下関係を越えた愛が生まれる~

大波小波

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 ビルの通用口で遥を待っていた了は、駆けてきた彼の姿に驚いた。
 白いパーカーにジーンズという格好は、普通の青年そのものだ。
 いや、どちらかというと少年に近い。
 童顔で華奢な遥は、とても自称20歳で、闇クラブに勤めているようには見えなかった。

「お待たせしました!」
「それほど待ってはいない」
 行くぞ、と了は先を歩き始めた。
「どこへ行くんですか?」
「そのうち解る」
 とは言え、内心迷っている了だ。
(ホテルにでも行こうと思っていたが)
 高級ホテルのラウンジで彼をねぎらい、その後部屋でセックスに持ち込むつもりだった。

 しかし、この清潔感あふれる遥の姿に、心は揺れた。
 駐車場に停めていた高級車に乗り込み、行先の決まらぬままエンジンをふかす。
「カッコいい車ですね!」
「そうか?」
 まだ幼さの残る、遥のセリフだ。
 その言葉に、了は目的地を決めた。

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