月まで連れてって 恋に戸惑う闇クラブオーナー・アルファ×弟の為に身を売る健気・オメガ ~上下関係を越えた愛が生まれる~

大波小波

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 遥の全身を愛撫しながら、了はその体に残された痕に眉をひそめた。
「結構、キスマークが残ってるな」
「あ、はい。はぁ、あぁ……。ごめんなさい……」
「君が謝ることじゃない。客に問題がある」
 今一度、規定を見直して徹底させなくては。
 素肌に性行為の許される客層なので、犯人はシルバー会員か、ゴールド会員だ。
 商品に傷をつけることは、たとえお客様でも許されない。

「遥、正直に言ってみろ。君にこんな痕を付けたのは、誰だ?」
「あ! はぁあんん!」
 途端に、遥が射精した。
 そのタイミングに、了は驚き焦った。
 一体なぜ!? 
 その客を思い出すだけで、イッてしまうのか!?
 しかし遥は、それは違うと首を横に振った。
「あ、あの。オーナーさんが、初めて僕の名前を呼んでくださったので……」

 何という返事だ。
(マズい。可憐すぎる)
 だが、そんな遥に『オーナーさん』と呼ばれるのは、悲しい。
 自分だけ、他人行儀に扱われてしまうのは、辛い。
「だったら、遥も私のことは、名前で呼んで欲しい」
「えっと。じゃあ、葛城さま?」
「殿様じゃないんだ。さん付けで構わないよ」
 優しい言葉に、遥は再び震えた。

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