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しおりを挟むそれはそうと、と敬之は、今度は玄馬に話を振った。
「この場に立ち会っていただけて、嬉しく思います。九丈さん」
「いいえ。私の方こそ、大切な時間を共有させていただいて」
「しかし、さっきから気になっていることがあるのですが」
「何でしょう?」
そこで、敬之の目はやや鋭くなった。
若い時分は、病に侵される前は、その一睨みで何者をも震え上がらせた『泉田の眼光』だ。
玄馬は、背筋を伸ばした。
「さっき息子のことを『幸樹』と呼びなさったが。一体二人は、どういった関係で?」
『幸樹。この人が、泉田 敬之さんだ。君の、お父様だよ』
『幸樹。あまり根をつめて話しすぎると、お父さんが疲れてしまう』
これは迂闊だった、と玄馬は唇を引き締めた。
(気を付けていたつもりだったが。つい、地が出た)
しかし、それならそれで、言うべき言葉はちゃんと携えて来た玄馬だった。
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