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しおりを挟む竜也と入れ違いでバスルームへ入った朋が、出てきた頃。
その頃には、竜也の髪は乾いていた。
「ドライヤー、ありがとう。ここに置いておくよ」
「はい。……あっ」
「なに?」
「部屋着、ぴったりですね」
やっぱり、と朋は笑顔だ。
「私と父さんは、似てる?」
「同じ服を着ていると、少し似てます」
安心したような、リラックスした笑顔。
朋がそんな風に肩の力を抜けるのなら、父の服が合うことも、顔が似ていることも、まんざらではない。
竜也もまた、いい感じにリラックスできた。
父は、父。
私は、私。
父の影に気を遣うことなく、私なりに朋くんを愛していこう。
そう、心に決めていた。
自分自身を、取り戻していた。
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