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しおりを挟む一方、怜士の弟の丈士は領地を任されることなく、父親の傍で秘書を務めている。
それを不服に思い、丈士は自分が怜士にとって代わろうと画策するのだ。
(そして僕は、そのスパイ。……ひどいよッ!)
倫が落ち込んだところで、和生が急に明るい声を上げた。
「おや? 怜士さまだ!」
「え!?」
倫も頭を跳ね上げた。
薬草園を抜けようとした所、バラ園への石畳を怜士が御供を連れて歩いている。
口をぽかんと開けてそれを眺める倫に、和生は声を掛けた。
「どうする? ご挨拶に、行ってみる?」
「え? は、はい!?」
「怜士さまの御機嫌がよろしければ、きっと喜ばれると思うよ」
そんな和生の言葉を励みに、倫は勢いよく駆け出した。
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