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石丸にもらって着たユニフォーム以外にも、瑞樹はフェイスシールドと防振手袋を誠から受け取った。
足元は、もちろん長靴だ。
これらの着用は、飛散物から身を守るために欠かせない。
そして瑞樹は誠の見守る中、背負い式のエンジン刈払機を使って、草刈りを始めた。
右から左へと刃を動かすたびに、青い香りが匂う。
その匂いを嗅ぐと、瑞樹の心に罪悪感が押し寄せた。
(ごめんね。君たちだって、生きてるのにね)
園芸部の頃から草刈りの時は、いつもそう思っていた瑞樹だった。
トルコギキョウのように、華やかな花は咲かせないけど、同じ植物なのに。
雑草と見られるだけで、ためらいもなく刈られてしまう野草たちが、不憫だった。
「思いきりが悪いな。道具の使い方は巧いのに、なぜだ?」
「叶さん。どうして雑草と呼ばれるだけで、刈られなくちゃいけないんでしょうか」
瑞樹は、先だってから頭の中に渦巻いている考えを、口にした。
こんなにたくさんの野草を、これから毎日刈るのだ。
言わずにはいられない不条理を、訴えた。
そんな瑞樹の問いかけに、誠は驚いたようだったが、答えをくれた。
「すまない。行政から、苦情が来てね。藪にしておくと害虫や害獣の棲みかになる、と」
害虫や害獣だって、人間の目線から見た線引きでしかない。
彼らだって、生きているのに。
そんな意志を込めた瑞樹の眼差しに気づいたのか、誠は重ねて謝った。
「辛い仕事をさせて、すまない。ただ、引き受けたからには、きちんと遂行してくれ」
それが、働くということだ。
後は、耕運機の使い方を教えると、誠は屋内へ戻ってしまった。
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