青いバラの花言葉 ~ミステリアス若様アルファ×不憫健気オメガ どうしよう。叶さんのこと、どんどん好きになっていっちゃう~

 白川 瑞樹(しらかわ みずき)は、第二性がオメガの18歳だ。
 中性的で愛らしいルックスだが、厳格な父親はそれが気に入らない。
 瑞樹が進学する大学も、勝手に決めてしまう。
 その上、心身を鍛えるために柔道部に入れ、などと言い出す始末だ。
 父に怯える瑞樹は、従うしかなかった。
 しかし、その部で彼は性暴力を受けてしまう。
 父に訴えても、隙があるオメガのお前が悪い、と取り入ってくれない。
 瑞樹は逃げるように、家族で唯一の理解者の兄を頼って家を出た。

 職を探している瑞樹は、トルコギキョウが描かれた不思議な求人広告を見つける。
 面接を受けに行った先は、時代を感じさせる古びた洋館だった。
 執事・石丸に伴われて、瑞樹はこの屋敷の主である、叶 誠(かのう まこと)に面接を受ける。
 好条件の上に即採用となる瑞樹だが、嬉しい反面この職場に謎を感じた。

 なぜここは、こんなに立派なお屋敷なのか。
 植物園、と名刺にあるが、草ぼうぼうの荒れ地なのはなぜか。
 石丸のような使用人風の人間が、屋敷内にちらほらいるのは、どうしてか。
 そして誠は、その使用人たちから『若様』と呼ばれているのだ。
 執事の石丸は、孤独で辛く苦しい境遇の若様に、手を差し伸べていただきたいと願ってきた。

 最も謎めいているのが、その若様・誠だ。
 背の高い、筋肉質のアルファ男性。
 少し長めの黒い前髪をかき上げる姿が、やけにセクシーに見える。
 切れ長の目からの眼差しに、射られそうだ。
 だが、自ら作業着を身につけて現場に出る実行力がある。
 理知的に見える彼が、笑うと意外に幼く見える。
 そんな誠のアシスタントなった瑞樹は、やがてその謎を解き明かしていく。
 それと同時に、深い恋にも落ちていく……。

 
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