青いバラの花言葉 ～ミステリアス若様アルファ×不憫健気オメガ どうしよう。叶さんのこと、どんどん好きになっていっちゃう～

１話 夜が来た

　私の部屋だ、と通された誠の私室は、シンプルだった。
　モノトーンを基調とした家具類に、無地のカーテン。
　ただそこは、いくつものドアで仕切られていた。
「こちらがキッチン。使ったことはほとんどないが。あちらが書斎で、そちらがバスルーム」
　ドアを一つひとつ開けると、そこには充分なスペースが設けられている。
　一つの部屋で、充分に独り暮らしができるような間取りに、瑞樹は驚いていた。
（さすが、若様のお部屋……）

　そして、最後に通された部屋。
「ここが、寝室だ」
　誠に入るよう促され、瑞樹はそろそろと中にお邪魔した。
　ベッドメイキングは綺麗に成されている。
　こういった点は、お屋敷の誰かが行っているのだろう。

「すごいですね、こんなに広いお部屋で……えぇっ！？」
　振り向いた瑞樹は、驚いた。
　そこにいる誠は、なぜか服を脱ぎ始めているのだ。