青いバラの花言葉 ~ミステリアス若様アルファ×不憫健気オメガ どうしよう。叶さんのこと、どんどん好きになっていっちゃう~

大波小波

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 でも、まだ気は抜けませんよ、と瑞樹は照れかくしに腕組みをした。
「この株は今後数年、審査に掛けられますよね?」
 そして、まるでお説教のように唱えた。
「増やして、気候の違う場所で栽培して。全てが同じ形質を保っていることを、証明しないと!」
「まぁ、確かに。そう言うことになるな」
 だったら、と瑞樹は腕を解き、明るい笑顔を見せた。
「だったら、バラの研究は続けなきゃ」
「白河くん」
「植物園の管理は、僕たちに任せてください。叶さんは、自分の信じる道を進んでください!」

 浮き浮きと弾んだ様子で、瑞樹は手をぽんと叩いた。
「そうだ。花言葉、決めましょう。叶さん、このバラの花言葉は?」
 何かにつけて、花言葉を引用していた誠だ。
 きっと素敵な言葉を考えるに違いない。
 そう思い、期待を込めた眼差しで、瑞樹は誠を見つめた。
「花言葉は……」
「花言葉は?」
「花言葉は、あなたを心から愛しています」
「え?」

 あっという間に、瑞樹は誠の胸に抱かれていた。
「好きだ、白川くん。いや、瑞樹、愛してる。いつまでも、一緒にいたい」
「叶さん……」
 僕の想い、伝わってたんだ。
「誠さん、僕も。僕も、あなたを心から愛しています!」
 バラの甘い香りが漂う温室で、抱き合った。
 青いバラの花言葉は『夢がかなう』だ。
 二人の夢は、青いバラの元で、かなった。



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