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「慎也さん、恋人いる?」
「いない」
「そうじゃなくって。恋人欲しい?」
「別に要らない」
会話が発展しないよ、と悠は唇をとがらせた。
「そこは、欲しい、って答えなきゃ」
「要らないものは、必要ない」
ほとんど瞼を閉じながら、悠は慎也に訴えた。
「僕が、恋人になってあげても、いいよ」
「お前が?」
「うん。僕、慎也さんの傍にいたい……」
それきり、悠は眠ってしまった。
慎也のパジャマの裾を、しっかり握ったまま。
小さな溜息を、慎也は漏らした。
「やっかいな拾い物をしたな」
そして、素裸の悠にパジャマを着せてやった。
起こさないように、そっと。
孤独な男の、心の隙をついて飛び込んできた、野良猫。
「どうするかな」
私と関わり合えば、この子は危険にさらされるかもしれない。
しかし、傍に置いておきたい気持ちも、すでに生まれているのだ。
寝ながら考えるつもりだったが、思いのほか疲れたのか、慎也もまたすぐに眠りに落ちていった。
大きなベッドに、二人で寄り添い、眠った。
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