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しおりを挟む「えっと。じゃあ、遊園地に行ってみたい!」
「遊園地だな。いいよ、明日の朝から、出かけよう」
「やったぁ!」
わくわくと目を輝かせる露希は、こうしてみると普通の少年だ。
そんな彼が、どうして街を徘徊して、売春なんかやっていたのか。
(それを聞き出すには、もう少し信頼関係を築いてからだな)
誠は真剣に、真面目なことを考えていたのだが、露希の方は舞い上がっている。
「どうしよう。楽しみで、眠れなくなってきちゃった」
「それは困るな。ゆっくり休んで」
「ね、誠さん。羊の数、数えてよ」
「ん? あぁ。羊が一匹、羊が二匹、羊が三匹、羊が四匹……」
とろとろと寝入ってゆく露希は、幸せを噛みしめていた。
ふかふかのベッド、石鹸の香り、ほどよく満ちたお腹。
そして、優しい誠さん。
(僕、こんなに幸せでいいのかな……?)
ぽんぽんと軽く背を叩いてくれる誠の手を心地よく感じながら、露希は眠りに落ちていった。
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