期限付きの恋なんて!

大波小波

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 バスルームから出て、小さなくしゃみをする宇実に、要はすまなさそうな声を掛けた。
「湯冷めしたかな。ごめん」
「ううん、平気」
 二人で重なり、どれくらいの時間を過ごしていたのだろう。
 あっという間のような、長い長いような。
 不思議なひとときを、味わった。
 だがそれは、二人の心をさらに近づけるには充分だった。
 ベッドに潜り込んだ要と宇実は、自然に身を寄せ合った。
「宇実……好きだよ」
「僕も、要さんが大好き」
 要の広い手のひらが、パジャマ越しに宇実の肩を撫でた。
「やっぱり、少し冷たいな」
「大丈夫だよ」
 温めてあげる、と要は宇実を抱きしめた。
 そして、優しく肩を、背を撫でた。
 伝わってくる彼の体温が、宇実にはひどく心地よかった。
 母さんのぬくもり。
 父さんのぬくもり。
 そして、要さんのぬくもり。
 両親に抱かれる心地よさと、同じぬくもりが、要にはある。
 それでいて、ほんのわずかだが決定的に違う何かが、そこには潜んでいる。
(何だろう。この、初めての感覚)
 要という初めてのぬくもりに、宇実は戸惑った。
 でも、心地いいのだ。
 要に撫でてもらっていると、体の奥が疼いてくる。
(痴漢に同じことされても、気持ち悪いだけなのに)
 宇実は軽く目を閉じた。
 日中、太陽にさらされて疲れたのか、そのまま静かに眠りに就いた。

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