わがまま子息は七回目のタイムリープで今度こそ有能執事と結ばれる! ……かな?

大波小波

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 驚いたのを気取られなかったかな、と昴は赤くなった。
(馬場にいた時から、ずっと見られていたのかな?)
 焦る昴を知ってか知らずか、暁斗はのんびりと話しかけてきた。
「昴さまは、馬に鼻を擦りつけられた事があられますか?」
 あるわけがないじゃないか、と昴は思った。
 馬の鼻先は、いつも湿っていて美しくない。
 あの濡れた鼻面を擦りつけられるなんて、御免だった。
 それに、そこまで馬に近づいたことさえ、なかった。
 無言で首を横に振る昴に、暁斗も黙って笑顔を向けた。
 そうでしょうね、と語らずとも伝えてくる。
 人に笑われる事は嫌いな昴だったが、暁斗の笑顔は好きだった。
 馬の鼻面を毛嫌いしている自分を、馬鹿にするでもなく、責めているでもなく。
(暁斗が持つ、独特の笑顔なんだろうな)
 そう思うと、つられるように笑顔がこぼれた。
 昴は、暁斗に素直な微笑みを返すことができた。
 今度は、暁斗が驚く番だ。
 昴の笑顔に、目を見張った。
(昴さまが、こんな表情を?)
 驚いた後は、嬉しさがこみ上げてきた。
 昴に優しい笑顔をもらったことを、心から嬉しく思った。

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