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しおりを挟むもぐもぐとミートボールを頬張る昴に、暁斗が小さなグラスを寄こしてきた。
「昴さまも、いかがですか。一口だけ」
「うん」
口の中を清める程度に、昴は酒を含んだ。
そう。自分でも酔う気は、ない。
今夜は素面で暁斗を、自分を試してみる気でいるのだから。
その美しい白い腕を見せつけるように、昴は暁斗に杯を返した。
だが、暁斗は全く気に留める風でもなく、それを受け取った。
そして、昴の腕どころか、再び夜空の月を眺めては、ビールを飲んでいるのだ。
暁斗の目の前にちらつかせるように、昴は腕を伸ばしたり縮めたり、指を組んだりほどいたりしてみた。
しかし暁斗は全く興味の無い顔つきで、月にまつわる伝説などを昴に語るのだ。
さすがにもどかしさを感じた昴は、こほんこほんと咳をしてみせた。
振り向く暁斗に、腕を伸ばして、くねらせる。
(どうだ、暁斗。僕の腕は、美しいだろう! 触りたくなるだろう!)
「咳などして、寒いのですか? では、窓を閉めましょう」
「暁斗!」
いいかげん焦れた昴の怒ったような声にも、暁斗はきょとんとしていた。
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