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しおりを挟む暁斗は、やけにすんなりと時子の部屋へ通された。
普段なら、改めて日時を指定されるところだ。
プライベートルームではなく、別室でボディガードたちも同席のはずだ。
古川から事前に聞かされていたとはいえ、やや構えた気持ちで、暁斗は勧められるまま椅子に掛けた。
『時子さまは、柏と昴さまが愛し合っていることを、すでにご存じだ』
早足の暁斗に追いついた古川から、そう告げられた。
(古川は、自分がそれを打ち明けたと、気に病んで謝っていたが……)
むしろ、話が早い。
その上で、昴さまと共に海外へ出たいと、願い出る。
(諦めない。私は絶対に、諦めない!)
そんな暁斗の固い決意は、まるでオーラのように全身から放たれていた。
しかし時子は、まるで春風のように彼を迎え入れ、受け止めた。
「緊張しないでくださる? 怖い、お顔ですこと」
「失礼しました」
「昴と恋仲、なんですって?」
「はい。私は、真剣に昴さまと交際しています」
隠し立てするような真似をしたことを、お許しください。
そう、暁斗は真っ向から時子に告げた。
「昴さまを責めることは、お控えください」
そう、心から懇願した。
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