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しおりを挟む「ね、健さん。僕も紹興酒、飲んでみたいな」
「ダメダメ。お酒は20歳になってから」
ケチ、と笑顔で頬を膨らませる未悠が、やけに可愛い。
彼が腕を振るった中華料理を前に、健は紹興酒を傾けていた。
未悠が驚いたのは、健がまるで水のようにそれをあおるところだ。
あっという間に、ボトルが半分になってしまった。
「でも、全然酔いませんね」
「もうすぐ満月だからね。アルコールも効かなくなってる」
「じゃあ、僕も大丈夫かも!」
「そういう発想か!?」
一口だけ、とせがまれねだられ、健は以前やったように、酒を少し口に含んだ。
「健さん……んぅ……」
口移しで、少しずつもたらされるアルコール。
未悠は、その行為に酔った。
健に与えられるものなら、なんでも良かった。
たとえ毒でさえ、甘露になったに違いない。
うっとりと唇を離し、頬を染めてうつむく未悠。
初々しさを失わない仕草に、健は嬉しくなった。
「未悠、好きだよ」
「……!」
すると突然、未悠は席を立ちリビングへ走って行った。
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