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「何!?」
「ここは、4階だぞ!?」
 瞬く間に、二人が倒れた。
 飛び込んだついでに手を頭に乗せ、ひねったのだ。
 首の骨を折られ、組員は床にくずおれた。
「健さん!」
 未悠は必死で起き上がり、電燈のスイッチを切った。
 獣人の健ならば、暗がりでも夜目が利く。
 逆に男たちは視界を奪われ、慌てた。
「撃つな! 味方に当たる!」
「非常灯を! 早く!」
 再び明かりが灯った時、床に転がっている人数は4人に増えていた。
「奴は!?」
「いない……」
 組員たちは、震えた。
 いつ、どこから、どうやって。
「天井だ!」
 悲鳴と共に、一人が倒れた。
 天井に張り付いていた健が、上から襲い掛かったのだ。
 未悠を奪われ頭に血が上っている健は、瞬く間に組員たちを動けなくしていった。

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